人生いろいろ、車生もいろいろ。
備後の道路脇で見つけた 朽ちゆく車たち。
凹み、錆び、コケ、ヒビ割れていても美しい 古き時代の宝物。
どんなドラマがあったのだろう…。
誰が呼んだか、草むらのヒーローたちを 小学6年M.Kくんが撮りました。
第103回
草ヒロ(廃車)data ■メーカー:ダットサン ■車種:サニーエクセレント1400セダン(B110型系グレード不明) ■年代:1971年~1973年 ■場所:福山市北部
寒波の影響で冷え込んだ冬の某日。冠雪し、吹く風冷たい福山市北部にある林道の終点で彼は眠っていました。
凛として佇むサンファーストブルーメタリックのボディが冬の斜陽を受けて残雪により一層際立ち、なんとも異彩を放っています。
状態は良いのか悪いのか?
朽ちているようで朽ちていない。
何も付いていなく、何も見当たらない。
ただのドンガラなキミなのに、ため息が出るほど美しいのはなぜ?
オーラを感じさせる強い存在感。その姿はさながらいっぷくの絵のごとし。
私:今まで会ったヤツの中である意味一番美しい草ヒロじゃろうなぁ!
約半世紀、身動き一つせず風雪に耐え、時間という残雪が降り積もっている彼の姿を眺めていると、目には見えない過ぎゆく時間の存在を彼自身が視覚化してくれているようで、本当に趣があります。
息子:いい顔しとるな!
こうやって親子揃ってキミを見ている間にも確実に時は流れすぎてゆく。
人々の価値観、様式もマウスイヤーのごとく変わり、そして成長してゆく。
ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず…
世の中にある人と栖と、又かくのごとし。
無常観です。
ハナがたか~い、ときめきのある“エクセレント”なキミ。
風をかみ、鋭くのびる。自慢のスピアーシェイプのロングノーズできっと現代の速すぎる時の流れの風当たりもうまくかわし、今でも悠々と時空を越えて時のストリートを走り続けているんだろうな!!
ちょっとうんちく
サニー(SUNNY、阳光)は、日産自動車が製造・販売する自動車(大衆車)。日本では1966年から2004年まで販売された。
概要
1960年代初頭、日産ではダットサン・110/210型系の堅調な人気を反映し、その後継となる1,000cc – 1,200cc級の小型乗用車・ブルーバード(初代・310型系)が大成功を収め、続く2代目モデルの410型系はスタイリングが市場の不評を買ったものの、小型車市場での地歩を確実に固めつつあった。しかし、410型系ブルーバードが1,200cc以上を主力とするモデルに移行したため、日産には、それより若干小型で700cc – 1,000cc級のベーシックカーが空位となった。
当時最大のライバルであったトヨタ自動車は、700cc級のパブリカをエントリーモデルとして市場に送り出し、一定の成果を収めつつあり、その他の中堅メーカー各社も、700cc – 1,000cc級の小型車で市場参入を進めていた。日産社内ではこれを危惧し、ダットサンの小型モデルを開発しようとする動きがあったが、当時の日産自動車社長であった川又克二は当初、ブルーバードと“同志討ち”になりかねないエントリーモデルの開発には消極的で、「お金のない方はブルーバードの中古をお買いになればよろしい」と評する始末であった。開発陣は商用車開発などの名目で川又社長を説き伏せ、ようやく小型ベーシックカーの開発にこぎ着けた。サニーが大成功したことで、川又も部下たちに対し「(サニーの開発を)やっておいて良かったな」と反省の弁を残している。
サニーは日産の最小排気量クラスを担う主力車種として、高度経済成長期からバブル経済期までのベストセラーカーとなった。日本の大衆車の中でもトヨタ・カローラと双璧をなす存在で、その最盛期には「CS戦争」ともいわれる、販売台数の熾烈な争いを繰り広げたことで知られる。ボディタイプは2ドアセダンからスタートし、4ドアセダン、2ドアクーペ、ピックアップトラック、2ドアライトバン、3ドアクーペ、4ドアライトバン、ステーションワゴン(カリフォルニア)、3ドアハッチバックなどのバリエーションが存在した。
競合車種のカローラ同様に実用性と経済性、信頼性、安心感に優れた大衆車として市場の地位を長い間保っていたが1990年代中期以降、日産車全体のシェア低迷と小型セダン離れ、そして度重なるユーザー層の高年齢化などから、市場での存在感も次第に希薄となり、2004年を以って日本国内での当ブランドの消滅を迎えた。以後そのポジションはティーダラティオ(後にラティオと改称、2016年12月を以って海外仕様のみとなり、国内モデルとしてはブランド終了)が担う事となった。
2代目 B110型系(1970年 – 1973年)
ボディタイプは2ドア/4ドアセダン、2ドアクーペ、ライトバンの4種類。フロントサスペンションに本格的なマクファーソン・ストラット式独立懸架を採用するとともに、車体はスクエアな形態を保ちつつ若干大型化され、初代モデルの簡素で華奢な印象を払拭した。1,000ccエンジンを搭載していた初代サニーに対し、1,100ccエンジンを搭載して「プラス100ccの余裕」のコピーを掲げた初代カローラを意識した発売時の広告コピーである「隣のクルマが小さく見えます」は、良くも悪くもこの時代のメーカーと大衆双方が持っていた上昇志向を象徴するものとして、後年まで広く伝えられている。
エンジンは直列4気筒ターンフローOHVのA12型1,200ccエンジンで、高回転化に適した5ベアリング式へ変更され、当初から5ベアリング4気筒ターンフローOHVを採用していたカローラのK型/3K型エンジンに対抗し、それを凌駕することを目指して改良された。更には、より排気量の大きいエンジン(直列4気筒クロスフローOHVのT型エンジン等)を搭載したモデルを追加したカローラに対抗するため、ブルーバード1400用の直列4気筒ターンフローSOHCのL14型1,400ccエンジンを搭載した上級シリーズの「エクセレント」を中途追加している。
この代にもピックアップトラック型のサニートラック B120型が設定されたが、このモデルは乗用車系のB110型生産終了後もマイナーチェンジを繰り返し、日本国内向けは1994年3月までの23年間、海外向けにいたっては2008年9月まで37年間の長きにわたり生産が続けられ、NP200の発売後に至っても在庫分が併売されていた。後継モデルのB210型系がピックアップトラック化を考慮していないスタイルであったことが理由であるが、B120型の設計が優れていたことも一因である。B120型系列は「サニトラ」の愛称で広く親しまれている。
北米市場では当時の市販車中、最良の省燃費車であることが燃費テストによって判明し、市場から評価され、日産車の販売実績向上に貢献した。
販売終了前月までの新車登録台数の累計は56万8508台。
•1970年1月 – B110型にモデルチェンジ。
•1970年4月 – セダン、クーペにSU型ツインキャブを搭載するスポーティグレード「GX」追加。
•1971年2月 – トラックもフルモデルチェンジでB120型へ。
•1971年4月 – 4ドアセダン、クーペに「エクセレント・シリーズ」を追加。オリジナル車に対してホイールベースが40 mm、フロントオーバーハングが130 mmそれぞれ延長された。当初このシリーズの目玉とすべく開発が続いていたロータリーエンジンは間に合わず、レシプロのみでのスタートとなったが、サニーとしては初となる、SOHCエンジンである、直列4気筒 SOHC のL14型・1,400ccを搭載。同時期のE20系カローラが1,400cc・直列4気筒 OHVのT型エンジンを搭載して性能面でアピールしていたことに対抗したものである。
•1972年1月 – マイナーチェンジ。内外装の小変更。フロント / リヤのフェイスリフトとメーターパネルの枠を丸型から角型に変更。
•1972年8月 – 1200GXシリーズに5速MT搭載車「GX5」を追加。この56A型トランスミッションは1速が左手前に来るシフトパターンで、5速もオーバードライブでは無く、1.0:1.0となるクロースレシオであり、「5速直結」、「GXミッション」などと通称される。
•1972年10月 – 第19回東京モーターショーにロータリーエンジン搭載車を参考出品。
wikipediaより抜粋
メモ
・車種は2ドアクーペと4ドアセダンの2展開。
・仕様はベーシックDXと上級のGLと高性能のGXを設定。
・既存のB110型サニーをベースにホイールベースを40mm、フロントエンドを170mm拡大。
・スピアーシェイプ(槍の穂先)形のフロントエンドで、ボンネットとバンパーが尖っている。
・サニトラにそっくりの顔。
・フォグ付きグリル、コーナー部分に配置されたコンビネーションランプなど、B110型の上級モデルとしてデビュー。
・510型ブルーバードのL14型1428cc直4OHCをベースにしたエンジンを搭載し、余裕を演出するも、初代サニー・エクセレントはカローラ1400よりインパクトが薄く、わずか2年1ヶ月の短命であった。
・カタログコピーは『ハナがたか~い[ロングノーズ]1400 ときめきのあるクルマ 隣のクルマが小さく見える』
・撮影車はエンジン・MT・デフ・ライト・ハンドル・足回りなど何もついていない、フレームのみのドンガラボディ。
初春に再訪問
諸元
主要諸元(DX、GL、GXのうちGXの諸元を記載)
車名形式 サニーエクセレント4ドアセダンGX
車種記号 PB110GTK
全長(mm) 4000
全幅(mm) 1500
全高(mm) 1395
ホイールベース(mm) 2340
トレッド(前)1255 トレッド(後)1245
車両重量(kg) 825
最低地上高(mm) 165
乗車定員 5名
登坂能力(tanθ) 0.57
最小回転半径(m) 4.7
エンジン形式 L14型
エンジン種類 4サイクル水冷頭上カム軸式(直列4気筒OHC)
総排気量(cc) 1428
最高出力(PS/rpm) 95/6400
最大トルク(kgm/rpm) 12.2/4000
キャブレター ツイン
圧縮比 9.0
クラッチ 乾燥単板油圧操作式
トランスミッション 前進4段後進1段フルシンクロ式フロアシフト
サスペンション (前/後) 独立懸架ストラット式/半だ円リーフスプリング
ブレーキ(前/後) ディスク式/リーディングトレーリング式
燃料タンク容量(l) 40
タイヤ(前後) 6.15-13-4PR
※懐かしい廃車たち(出来るだけ天然モノ)を小学生撮影隊と一緒にのんびりと探索・撮影・紹介している趣味コンテンツです。
※内容については正確な情報とは限りませんのでご了承ください。
※撮影場所については、部品取りやいたずら防止のため一切シークレットです。
※掲載後の情報提供や現存確認は一切しておりません。
※画像の無断転載はおやめください。
※草むらのヒーローとは、旧車専門誌「ノスタルジックヒーロー」の人気読者投稿コーナーに由来する名前で、通称「草ヒロ」と呼ばれています。クルマ好きの間では草むらや空き地、山の中で放置され、ひっそりと朽ちゆく、もう動かないクルマたち(草ヒロ)を眺め、往年の活躍に思いを馳せ、情緒を感じる文化のようなものになっています。
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