草むらのヒーローたち No.102

人生いろいろ、車生もいろいろ。

備後の道路脇で見つけた 朽ちゆく車たち。

凹み、錆び、コケ、ヒビ割れていても美しい 古き時代の宝物。

どんなドラマがあったのだろう…。

誰が呼んだか、草むらのヒーローたちを 小学6年M.Kくんが撮りました。

 

 

 

第102回


草ヒロ(廃車)data ■メーカー:日産 ■車種:8代目ダットサントラック720ロングボデー1600GL(US仕様ローライダー4速コラムシフト) ■年代:1979年〜1985年 ■場所:福山市北部


息子:「GTA」に出とるヤツがおったで、パパ!
去年の夏、息子が自力で探してストックしていた草ヒロをご紹介。
幹線道路からちょっと入った敷地の隅っこ。
そこに隠れていたのは最後の“DATSUN”ブランドを名乗ったダットラ720くん。
さっそく許可を得て、チェケラ!
私:アメ車じゃ思よーりゃあ、ダットラじゃが。灯台下暗しじゃのう。こぎゃーなとけーおるとは。
一見すると日本車とは思えないアメリカン臭のする一台。
イカした渋いワインレッドの日本最古のピックアップトラックの彼。スムージングで洗練されたスクエアなフォルムに、ちょいサゲのローダウンでレーシーさを醸し出しています。
もうアラフォーだけど、高級感のある角目4灯ライトに角形ドアミラー、いまだ煌めく派手なメッキグリルで、イケメンフロントマスクは健在です。
貨物車生まれの彼も当時はカスタムベースとして引っ張りダコ。
トレンドだったUSコーデをキメて、カッコよく遊んでいたのでしょう!
オールペンでキレイに仕上げてもらっていたであろうボディは、いたるところにサビが浮かび、塗装はめくれて朽ち果てていますが、朽ちた草ヒロになってもカッコよさは変わりません。
目に見えない流れ過ぎた時間を視覚化してくれる彼のボディに風情を感じます。
ベッドには懐かしコミックボンボンの「おれのサーキット」よろしく、サビサビのポケバイくんのおまけ付き。トランスポーターとしてもカッコよく働いていたのでしょう。
ピッカピカもいいけれど、40年という長い時間をかけ、自然がカスタムしてくれた風合いある今のキミもかっこいいよ。
息子:うん、映えてる!
私:こんな風情でもカッコええもんはカッコええわ。昭和時代はおネエちゃんに、令和の今はイケおじさんにモテるじゃろうなぁ。今でもリバイバルしたら結構というか間違いなく人気出るじゃろうな。漢は黙って角目の4灯じゃ。
彼が公道復帰する日を願わずにはおれません。

ちょっとうんちく


ダットサン トラック(DATSUN TRUCK)は、かつて日産自動車が生産、販売していた小型商用車。2002年以降日本での販売はされていないが、中国をはじめ、アジア、中東、アフリカ、南米、大洋州諸国で販売が続けられているピックアップトラックである。10代目より「ダットサン」の名が外され、「ニッサン」ブランドに統一された。

解説
ダットサントラックの「ダットサン」とは、かつて日産自動車に存在した小型車専用「ブランド」で、ダットサントラックのみにその名を残していた。一連の日本車の商標(車名)としては2019年にトヨタ・ランドクルーザーに更新されるまでは最も長い歴史を誇っていた(日本国内向けにおいては10代67年)。通称は「ダットラ」。なお、3135型車は現在施行されている型式指定番号の1番を取得した自動車である。
D21型以降、北米向けを「フロンティア」、欧州向けを「ピックアップ」、大洋州およびイギリス向けを「ナバラ」、南アフリカ向けを「ハードボディ」と、地域ごとに車名を使い分けている。

8代目 720型(1979年-1985年)
1979年(昭和54年)10月、720型系発売。スタイリングは620とはうって変わった直線基調となり、キングキャブの後部が拡大され、ダットサントラックとしては初めて、エマージェンシーシートが備わった。また、室内トリムはブラウンとブルーの2色が用意され、明るく、より乗用車的となった。
キャビンバリエーションはシングルキャブ、キングキャブに加え、ダットサントラックとしては初めての4ドアダブルキャブの3種類、荷台バリエーションは低床と高床フラット三方開デッキの2種類、ホイールベースは標準とロングの2種類が設定された。これにより、従来のワンピースボディーのピックアップがラインナップから外れた。
ガソリンエンジンは1,600 ccのJ16型のほか、乗用車用の1,800 cc、L18型の二種類。ディーゼルエンジンは2,200 ccのSD22型が設定された。
一時期、720型のシャシを利用したウォークスルーバンが設定されており、エンジンは直列4気筒OHVのSD23型ディーゼルエンジン(2,289 cc 73 ps/4,300 rpm、14.8 kgm/2,000 rpm)を搭載し、最大積載量は850 kgであった。
タイ日産では、プロフェッショナルで生産・販売されていた。
1980年(昭和55年)6月、ダットサントラックとしては初めての4WDモデルを追加。エンジンはZ18型ガソリンエンジンで、2人乗りシングルキャブと、5人乗りダブルキャブが用意された。
1982年(昭和57年)1月、4WDモデルにディーゼルエンジンを追加。
1983年(昭和58年)4月、マイナーチェンジ。ヘッドランプを丸形から角形へ、リアコンビランプを横型から縦型に、メーターを角形から丸形に、それぞれ変更。ディーゼルエンジンは排出ガス規制対応のため、100 ccアップのSD23型となる。
同年6月、北米日産会社にて生産開始。
1984年(昭和59年)9月、米国日産自動車製造テネシー工場にて生産累計10万台を達成。
同年、国内生産累計500万台達成。日本製商用車として初の快挙であった。

wikipediaより抜粋


パンフレットより

・Zエンジンを新搭載!好評の4WDに仲間がふえて、さらに充実の“ニュービークル”ダットサン。
・1トン積みボンネットトラックをリードするダットサントラック。
・扱いやすい標準ボデー。大きく積めるロングボデー。平らな荷台のフラットデッキ。用途に応じた3タイプの荷台を用意しました。
・スタイルはひときわダンディ。キャビンも広びろ。
・Z16型ガソリンとSD22型ディーゼル。2つの強力エンジンと力強いパワートレーン、足まわり。

 

メモ
・撮影車は1979年~1982年の前期仕様を後期仕様に変更か?
・1983年からの後期型は丸形ライト→角形、リアランプが横型→縦型、メーターが角型→丸型
・GLグレード(時計あり、サンバイザー付き、起毛絨毯シート)
・撮影車はアオシマのプラモデル「ダットサントラック720ローライダー1/24」にそっくり
・1979年10月登場の720型は、直線基調で、同時代のA10型バイオレットやS110型シルビア(米国名:200SX)に似たイメージのスタイリングを採用しました。初めて4WDモデルを発売し、レジャーユースを本格的に織込んだモデルとして大きなターニングポイントとなりました。1983年7月、米国テネシー州スマーナに竣工した米国日産製造(NMMC, 現NNA)でも生産が始まり、小型ピックアップトラックの一大市場に発展した米国での需要に、対応したことでも歴史に残ります。このクルマは、1982年のマイナーチェンジで、排気ガス対応されたZ16型エンジン搭載の最終モデルです。(日産ヘリテージHPより)

諸元
主要諸元
車名形式 ダットサンJ-G720
車種記号 G720J
全長(mm) 4690
全幅(mm) 1610
全高(mm) 1555
ホイールベース(mm) 2815
トレッド(前)1315 トレッド(後)1290
荷室内長(mm) 2255
荷室内幅(mm) 1445
荷室内高(mm) 395
車両重量(kg) 1065
最大積載量(kg) 1000
最低地上高(mm) 195
床面地上高(mm) 690
乗車定員 3名
登坂能力(tanθ) 0.30
最小回転半径(m) 5.6
エンジン形式 Z16型
エンジン種類 水冷直列4気筒OHC
総排気量(cc) 1595
最高出力(PS/rpm) 82/5000
最大トルク(kgm/rpm) 13.7/3200
クラッチ 乾燥単板ダイヤフラム式
トランスミッション 前進4段後進1段コラムシフト
サスペンション (前/後) 独立懸架ウィッシュボーン式/半だ円リーフスプリング
ブレーキ(前/後) ディスク式/ドラム式
燃料タンク容量(l) 無鉛ガソリン64
タイヤ(前/後) E78-14-6PRLT/E78-14-8PRLT

 

 

 

 

 

※懐かしい廃車たち(出来るだけ天然モノ)を小学生撮影隊と一緒にのんびりと探索・撮影・紹介している趣味コンテンツです。
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※草むらのヒーローとは、旧車専門誌「ノスタルジックヒーロー」の人気読者投稿コーナーに由来する名前で、通称「草ヒロ」と呼ばれています。クルマ好きの間では草むらや空き地、山の中で放置され、ひっそりと朽ちゆく、もう動かないクルマたち(草ヒロ)を眺め、往年の活躍に思いを馳せ、情緒を感じる文化のようなものになっています。
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