草むらのヒーローたち No.099

人生いろいろ、車生もいろいろ。

備後の道路脇で見つけた 朽ちゆく車たち。

凹み、錆び、コケ、ヒビ割れていても美しい 古き時代の宝物。

どんなドラマがあったのだろう…。

誰が呼んだか、草むらのヒーローたちを 小学6年M.Kくんが撮りました。

 

 

 

第99回


草ヒロ(廃車)data ■メーカー:トヨタ ■車種:2代目ハイエース H20系(H30系)ワゴン(ロング10人乗デラックス ) ■年代:1977年~1982年 ■場所:福山市北部


福山市北部、全国的にも珍しい昔ながらの潜り橋がいくつも残る一級河川・芦田川の右岸土堤をドライブ中、何気なく土手下を眺めていた息子が見つけた白い影!?
息子:んっ?新幹線?
私:アルファードのご先祖様じゃ!
今となってはレア度の高い、新幹線ハイエースに初めてお目にかかりました。
愛嬌ある流線型のフロントフェイス、白い車体に青い帯のカラーリング。
角目の後期モデルだけど、形といい、色といい、半世紀もの間変わらず親しまれてきたあの0系に瓜二つです。
早春の畑の中を快走する“団子っ鼻”を海側より眺めているようなサイドビューには、トキメキが止まりません。
畝に植えてあるネギの列がまるでレールのように彼の前方にどこまでも続いています。
今はなき0系ひかり号の懐かしい思い出が脳裏を駆け巡ります。
私:今はもう引退したけど、修学旅行や大学受験の時も、パパの時代はいつもこいつじゃったんで。新幹線ゆやぁ、0系よぅ。
トヨタを代表するグローバルカーのキミも、世界の高速鉄道のパイオニアである0系も、どちらも親しみやすさ・スピード感・乗り心地・未来デザインなど、どれをとっても斬新なモデルで、キミたちは当時、日本が誇る夢の乗り物でした。
きっと昭和生まれの人の心の中にいつまでも走り続け、ひとつのエポックとして記憶に残り続けることでしょう。
時代とともに進化を遂げて、今では近代化したN700Sと200系がしっかり活躍しています。
『世の中は何か常なる“芦田川”昨日の淵ぞ今日は瀬になる』
末長く大事にしてもらいなよ。

 

 

ちょっとうんちく

 

 


トヨタ自動車75年史より

語源はトヨエースに由来し、英語で「高級な」「より優れた」という意味の「High」と「Ace」の合成語。
1977年2月(ワゴンは4月)に発売した2代目。機能性、居住性、安全性の大幅な向上を図った。荷室面積と容積を大幅に拡大。モデル構成は、バンとコミューターがそれぞれ標準、ロング、スーパーロングの3種類ずつ、ワゴンが標準ホイールベースの9名乗りと10名乗りの2種類、トラックがシングルキャブ、ダブルキャブ、オープンバン、パネルバンの基本4種類である。

ワンボックス系のホイールベースは2340mm(標準)、2545mm(ロング)、2845mm(スーパーロング)の3種を設定。トラックは2290mm。

エンジンはガソリンだけで、2リッター・100馬力(18R-U)、同1.8リッター・95馬力(16R-J)の1.6リッター・80馬力(12R-J)の3機種。標準バンは積載量を850kg/600kgへと拡大、9名乗りバンでは最後部座席を折り畳み式として、6名乗車時に750kgの積載を可能とした。また、スーパーロング系のバンと2ナンバー登録の小型バスのコミューターにハイルーフを採用したほか、バンのバックドアには開閉機構に平行4リンク型を採用し、狭い場所での開閉を容易にした。サイドスライドドアは、開口幅を245mm拡大して980mmとするとともに開閉操作力も軽くした。ワゴンの10名乗りは1979年3月にロングホイールベース化を実施。1979年7月には、2.2リッター・72馬力のディーゼルエンジン(L)を追加した。その後も1982年12月に3代目にバトンタッチするまで各種の改良がなされた。


 

 


wikipediaより抜粋
ハイエース (HIACE) は、トヨタ自動車が製造・販売するキャブオーバー型の商用車及び乗用車である。
概要
1967年に発売を開始した。かつてはショートホイールベース(標準ボディ)やトラックもラインナップされていたが、現在それらは消滅しており、ロング、スーパーロング、ワゴン、ライトバン、コミューターのみとなっている。日産・キャラバンが長年の競合車種。

2代目 H20 – 40系(1977年 – 1985年)
1977年2月
2代目にフルモデルチェンジ。初代同様、バン、ワゴン、トラックのラインナップ。ヘッドランプが丸型4灯から丸型2灯に変更された。
当初ワゴンは9人乗りカスタム・デラックス・スタンダード・10人乗りデラックスのグレード体系が取られており、バンには3種類のホイールベースを設定。コミューターと呼ばれる2ナンバー登録のマイクロバス(12・15人乗り)も初期には3種類のホイールベースがあったが、1980年(昭和55年)にスーパーロング15人乗りのみとなった。スーパーロングの救急車仕様はトヨタ・救急車として引き続き設定。
全車に助手席パワーウインドウがオプション設定されており、運転席側のスイッチから操作可能だが運転席の窓自体は手動式。
トラックの荷台部分はH10系からの流用。高床デッキの荷台が延長され、新たにジャストローが設定された。設定当初のジャストローのリヤタイヤはダブルタイヤではなく、高床モデルをベースに標準のバイアスタイヤよりタイヤ径の小さいラジアルタイヤを装着し、荷台をやや下げて架装したモデルである。
1979年3月
ワゴンのエンジンを1,968 ccの18R-U型から1,972 ccの21R-U型へ変更し、昭和53年排出ガス規制に適合。
1979年7月
オイルショックの影響で、バンに2,200 ccディーゼルエンジンを追加(初)。ライバルの日産・キャラバンは前年5月に2,200 ccディーゼルエンジンを初設定している。
1980年1月
マイナーチェンジ。ワゴンにスーパーカスタムを追加。メーターパネルの一新とベンチレーター・ヒーター操作パネルに透過照明を追加。ディーゼルエンジンを全車に拡大採用すると共に、マニュアルトランスミッションをオーバードライブ付き5速へ変更。
1981年1月
マイナーチェンジ。前後のパンパーが大型化され、ワゴンのヘッドランプを規格型の角型2灯に変更。同時にスーパーカスタムに電動サンルーフを設定。バンに上級グレードのGLを追加。吊り下げ式クーラーに代わり、トラックを除く全車(トラックは1985年のモデルチェンジまで吊り下げ式クーラーを継続)にエアコンがオプション設定される。ワゴンのディーゼル車にオーバードライブ付き4速オートマチックトランスミッションを設定。ワゴンのガソリン車はMTを4速から5速へ変更。
1982年12月
バン/ワゴンがH50系にフルモデルチェンジしたが、トラックは継続生産し、フロントグリルを変更した。
1985年8月
トラックをH80/90系にフルモデルチェンジしたが、トヨエースG15とダイナ100(Y50/60系)の姉妹車となり、H50系と異なる車種となり、バン/コミューター/ワゴンと設計が共通なのはこの代が最後となった。


 

 

主要諸元
車名 トヨタ・ハイエース・ワゴン ロング10人乗デラックス
形式 K-LH30G-QDEY
全長(mm) 4690
全幅(mm) 1690
全高(mm) 1910
ホイールベース(mm) 2545
トレッド(前)1445 トレッド(後)1400
室内長(mm) 3980
室内幅(mm) 1520
室内高(mm) 1315
車両重量(kg) 1480
車両総重量(kg) 2030
最低地上高(mm) 195
乗車定員 10名
最小回転半径(m) 5.7
エンジン形式 L型
エンジン種類 水冷直列4気筒OHCディーゼル
燃料供給装置 ボッシュ式分配型燃料噴射ポンプ
総排気量(cc) 2188
圧縮比 21.5
最高出力(PS/rpm) 72/4200
最大トルク(kgm/rpm) 14.5/2400
クラッチ 乾燥単板ダイヤフラム式前進5段後進1段
トランスミッション 前進5段オールシンクロ後進1段
サスペンション (前/後) ウィッシュボーン式コイルバネ/車軸式半だ円板バネ
ブレーキ(前/後) 油圧真空倍力装置付ディスク/リーディング・トレーリング
燃料タンク容量(l) 58
タイヤ(前後) 6.00-14-6PRLT

メモ【ハイエース】
・撮影車は1981年の最終モデル(ディーゼル5速MTで角型ライト)
・ロングボディ(前から3/2/2/3の10人乗)
・そっくりなフロントフェイスだけでなく、セカンドシートの背面のみスライドすることで対面シートにできるスウィングウェイ対面シート(新幹線方式シート)の採用や、シートの配色が0系新幹線に似ているという特徴があったことが、新幹線ハイエースと言われる一因だった(撮影車にはシート未装備)。
・形式はH20が標準サイズ、H30がロング、H40がスーパーロングだが、2代目ハイエースを総じてH20系と呼んでいた。
・この車にはコーナーピース付きバンパー、オーバーヘッドデュアルエアコンを装備。
・ハンドルはデラックスが2本スポーク、カスタム以上が3本スポーク。

メモ【0系新幹線】
・1969年東京オリンピック年にデビュー、2008年引退
・デザインはタバコのハイライトを参考にしたと言われる。
・愛称は“団子っ鼻”、ちなみに100系は“シャークノーズ”と呼ばれる。
・高速と音速をイメージする名前がつけられ、超特急は「ひかり」、特急は「こだま」。

 

 

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※草むらのヒーローとは、旧車専門誌「ノスタルジックヒーロー」の人気読者投稿コーナーに由来する名前で、通称「草ヒロ」と呼ばれています。クルマ好きの間では草むらや空き地、山の中で放置され、ひっそりと朽ちゆく、もう動かないクルマたち(草ヒロ)を眺め、往年の活躍に思いを馳せ、情緒を感じる文化のようなものになっています。
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