草むらのヒーローたち No.084

人生いろいろ、車生もいろいろ。

備後の道路脇で見つけた 朽ちゆく車たち。

凹み、錆び、コケ、ヒビ割れていても美しい 古き時代の宝物。

どんなドラマがあったのだろう…。

誰が呼んだか、草むらのヒーローたちを 小学6年M.Kくんが撮りました。

 

 

 

第84回


草ヒロ(廃車)data ■メーカー:スバル ■車種:2代目サンバートラック(K153型低床式) ■年代:1966年~1973年 ■場所:福山市北部


まだ落ち葉の絨毯が残る九十九折りの細い山道を歩いていると、竹ヤブの一角に異彩を放つ彼がいました。
いい表情をしてちょこんと座っているキミは、サンバー君だよね。
時間の動かないこの深い竹ヤブの中にただ一人、いったいどのくらい居たんだろう。
ゼファーブルーの愛らしいその顔には赤サビが浮き、少しもの悲しそうにも見えます。
サイドゲートと思わしきパーツが脇に転がっていたので、キミは荷台がまるでお風呂のようになっている低床式のトラックの成れの果てと想像できます。
今でもマニアの多いスバル360てんとうむしをベースにして、1961年に登場したキミ。
ポルシェ911と同じ空冷エンジン、4輪独立懸架、RRレイアウト故に「農道のポルシェ」と呼ばれていたよね。実に面白い!
1966年に2代目になってからはニューサンバーになり、1970年には勢いのある「ババーン」サンバー、そして1972年には力強い「すとろんぐ」サンバー、勢いそのままに1973年に3代目になってからも「剛力」サンバーという、高度経済成長時代特有のノリノリの誇張しすぎたネーミングが実に面白い!
そして時は過ぎ2012年、スバルの軽作りはアンカーとなったサンバーの生産終了をもって、半世紀を優に超える長い歴史の幕を閉じました。
今もなおスバリストやスバラーたちの間では、悠々の時の中を走り続けているのでしょう。
アイデンティティでもあるRRレイアウトを貫いた頑固一徹なキミに問うてみたい。
爆発音のような「ババーン」とは一体何を意味していたんだい?
なぜ「すとろんぐ」はひらがな表記なんだい?
実に実に実に面白い!

ちょっとうんちく


サンバー(SAMBAR)は、SUBARU(旧・富士重工業)が販売する軽商用車である。1961年(昭和36年)2月1日に発売された初代から2012年(平成24年)4月1日まで販売されていた6代目モデルまでは同社が開発並びに生産を行っていた。7代目以降はダイハツ・ハイゼットのOEMとなり、ダイハツ工業が生産している。
2023年(令和5年)1月現在、「スバル」それ自身を除く、スバルブランドにおける最も古い商標である。軽自動車及び軽トラック・軽バン全体の商標としても現在のOEM元たるハイゼットに次いで2番目の長寿車種であり、更には日本車全体でも7番目の長寿車種である。
概要
1961年から2012年までの自社生産時代は、モデルチェンジを繰り返しつつも、リアエンド床下にエンジンを横置きに搭載した「リアエンジン」レイアウトを採用してきた。特に積空差の大きい軽トラックにとっては、荷台の床下にあるエンジンは恰好のバラスト役を果たすため、空車時でも十全なトラクションが確保され、安定した走行、登坂能力を得ている。さらに日本においては乗用車でも普及していなかった四輪独立懸架を1961年の発売当初から採用しており、この2つは軽トラック・軽キャブオーバーバン市場において長くサンバーのみが持つ特徴であった。これらの構成ゆえ、「農道のポルシェ」などとユーザーから冗談混じりに、時には敬意を込めて評されることもある。これらの特徴は、初代モデル開発にあたって先行した乗用車のスバル・360の技術を応用した結果の産物であったが、富士重工が通常型軽乗用車のカテゴリーで前輪駆動方式に移行した1980年代以降も、サンバーではリアエンジン方式が踏襲され続けた。

2代目(1966年-1973年)
・1966年(昭和41年)登場。通称「ニューサンバー」。初代よりもすっきりとしたフロントマスクを採用し、デザインが洗練されている。オプションで副変速機を装備した、前進6段・後進2段のオーバートップ付を選ぶこともできた。1968年(昭和43年)には3段+オーバートップ付に変更される。
・1970年(昭和45年)にはダミーグリルが装着され、エンジンもR-2用のリードバルブ付2サイクルに変更される。このモデルは通称「ババーンサンバー」と呼ばれる。インパネもR-2から流用されたフルパッドのものになり、安全性と見栄えが向上した。フロントドアが「スーサイドドア」から、通常の前ヒンジ・後ろ開きになったのもこのモデルからである。
・さらに1972年(昭和47年)に再度マイナーチェンジを受け、ダミーグリルが大型化。このモデルは通称「すとろんぐサンバー」と呼ばれるが、後期型R-2同様、あまりにもアクの強いデザインに変貌したことと、競争力を増した競合他車の台頭により、人気は下火となった。

wikipediaより抜粋


諸元
形式 K153
全長 2995mm
全幅 1295mm
全高1545mm
ホイールベース 1750mm
トレッド前/後1120/1080mm
最低地上高 185mm
車両重量 445kg
乗車定員2名
最高速度 85km/h
最小回転半径 4m
形式 EK32型 強制空冷2サイクル直列2気筒
総排気量 356cc
最高出力 20ps/5000rpm
最大トルク 3.2kg・m/3000rpm
圧縮比 6.5:1
燃費25km/ℓ
最高速度85km/h
スペンション 前 トレーリングアーム/トーションバー
サスペンション 後 スイングアクスル/トーションバー
タイヤ(前/後) 4.50-10-4P
主ブレーキ(前/後) ドラム

 

パンフレットより
・お店に繁栄を招くサンバーがさらに充実!(ライトバン)
・室内は広くて清潔、乗り心地も実に快適です!(ライトバン)
・荷台の高さは地上から僅か35.5cm。低いので積み降ろしがいたってラクです。(トラック)
・荷台は全く平らで広く低いので商品をビッシリ積めます!(トラックフラット)
・高速時代にそなえた安全設計。使い易く乗り易く運転席はゆったり!(トラック)
・僅かなスペースがあればどこでも駐車できます。車庫規制もありません。
・車検がなく税金・保険も格安です。
・有料道路・駐車場などの料金が普通車に比べてはるかにお得です。
・軽最大の大容量ガソリンタンク(30l)なので、一回の給油で長時間走れます。
・信頼されたメカニズムには定評があり、全く故障を知らない経済車です。
・軽商用車唯一の4輪独立懸架のサスペンションは快適な乗り心地をお約束し、積荷を少しも痛めません。
・サイドゲートはワンタッチで開閉できるだけでなく、取り外しも自在です。(トラック)

 

近くには後輩がいた!!

 

 

※懐かしい廃車たち(出来るだけ天然モノ)を小学生撮影隊と一緒にのんびりと探索・撮影・紹介している趣味コンテンツです。
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※草むらのヒーローとは、旧車専門誌「ノスタルジックヒーロー」の人気読者投稿コーナーに由来する名前で、通称「草ヒロ」と呼ばれています。クルマ好きの間では草むらや空き地、山の中で放置され、ひっそりと朽ちゆく、もう動かないクルマたち(草ヒロ)を眺め、往年の活躍に思いを馳せ、情緒を感じる文化のようなものになっています。
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