人生いろいろ、車生もいろいろ。
備後の道路脇で見つけた 朽ちゆく車たち。
凹み、錆び、コケ、ヒビ割れていても美しい 古き時代の宝物。
どんなドラマがあったのだろう…。
誰が呼んだか、草むらのヒーローたちを 小学6年M.Kくんが撮りました。
第82回
草ヒロ(廃車)data ■メーカー:スズキ ■車種:エブリイ GL 2WD(2代目最終型標準ルーフ5MT) ■年代:1985年~1991年 ■場所:福山市北部
まさに草ヒロ!
近所の草むらの中に隠れるように存在するスペリアホワイトのキミ。
あたり一面を包み込む北アメリカ産オオキンケイギクのオレンジの鮮やかさが、寂しげな草ヒロの雰囲気を明るくメルヘンな景色に変えてくれていました。
キャリイバンを発祥とし、車名を「エブリイ」に変更した8代目となるキミは、荷物はもちろんのこと、ビジネス感覚もたっぷり詰め込んだ軽1BOXの隠れたヒーローだったのは知ってるよ。
マツダ(スクラム)、三菱(ミニキャブバン)、日産(NV100)、GM(タコマ)、フォード(プロント)などと名乗っているけど、顔や内装が少し違うだけで、ベースはみんなキミだよね。
姉妹車・兄弟車・バッジ車などいろんな呼び方があるけど「OEM車」として日本国内に留まらず、ワールドワイドに送り出されたキミの魂を宿らせる友達たち。
なかなか趣の深いものがあります。
軽1BOXの生産から撤退したメーカーの顧客ニーズに応えるため、ラインナップや効率化に対応するために“痒いところに手が届く”、業界にはなくてはならない存在だったキミ。
まるで分身の術のよう。
モノあまりの時代ゆえに、機能性やデザイン、付加価値も大切なのはわかるけど、最終的には社会に役立ち、貢献することが重要なこと。
キミのOEMでの成功が世間に知れることは少ないけど、業界の裏方で期待に応えて、面目躍如を果たすことができたのは本当にすごいことだよ。For every one!
SDGsの時代、さらなる選択と集中により、パートナーとウィンウィンの関係を持ちつつ、軽バンを知り尽くすキミが唯一無二の存在として、これからの大変な自動車業界において日々進化していって欲しいです。
ちょっとうんちく
スタイリッシュで高性能な軽1BOX -個人ユース需要の拡大に対応-
車名を「エブリイ」に変更した8代目は、より乗用ユースを意識した車種となった。フラッシュサーフェイス化した先進的なスタイルを採用し、上級グレードにはパノラマウインドー付のパノラミックルーフを装備した。フルフラットになるリクライニングフロントシートや、前方への折り畳みや後方のフルフラット化が可能な分割式リヤシートを採用したのも特長。乗車人数や荷物の量などによって10通りに使えるマルチレイアウトシート車を設定した。全車4サイクルエンジンで、登場から半年後にはEPIターボチャージャー付エンジン搭載のエブリイターボも加えた。
主要諸元
型式 DA71V(2WD)
タイプ 標準ルーフGLタイプ
機種記号 EGLF-3
全長(mm) 3195
全幅(mm) 1395
全高(mm) 1720
ホイールベース(mm) 1840
トレッド(前)1210 トレッド(後)1200
最低地上高(mm) 150
荷室長(mm) 1660
荷室幅(mm) 1255
荷室高(mm) 1235
床面床地上高(mm) 475
車両重量(kg) 700
最大積載量(kg) 350(250)
乗車定員 2人(4人)
最小回転半径(m) 3.8
エンジン形式 F5A型4サイクル直列3気筒水冷SOHC 6バルブ
総排気量(cc) 543
圧縮比 9.7
最高出力(PS/rpm) 31/5500
燃費(km/l) 25.2
最大トルク(kgm/rpm) 4.5/3500
クラッチ形式 乾燥単板式ダイヤフラム
トランスミッション 前進5速後進1速
ステアリング ラック・ピニオン式
サスペンション (前/後) マックファーソン・ストラッド式コイルスプリング/リジッドアクスル式・半楕円リーフスプリング
燃料タンク容量(l) 37(無鉛ガソリン使用)
ブレーキ(前/後)ツーリーディング/リーディング・トレーリング
タイヤ(前後) 5.00-10-4PR
SUZUKI DIGITAL LIBRARYより
「福山市 FUKUYAMA C.」
「加茂町 KAMO T.」
旧国道182号(S57年〜市道)
福山市/旧加茂町境にあった(四ツ角付近)
※懐かしい廃車たち(出来るだけ天然モノ)を小学生撮影隊と一緒にのんびりと探索・撮影・紹介している趣味コンテンツです。
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※草むらのヒーローとは、旧車専門誌「ノスタルジックヒーロー」の人気読者投稿コーナーに由来する名前で、通称「草ヒロ」と呼ばれています。クルマ好きの間では草むらや空き地、山の中で放置され、ひっそりと朽ちゆく、もう動かないクルマたち(草ヒロ)を眺め、往年の活躍に思いを馳せ、情緒を感じる文化のようなものになっています。
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