草むらのヒーローたち No.080

人生いろいろ、車生もいろいろ。

備後の道路脇で見つけた 朽ちゆく車たち。

凹み、錆び、コケ、ヒビ割れていても美しい 古き時代の宝物。

どんなドラマがあったのだろう…。

誰が呼んだか、草むらのヒーローたちを 小学6年M.Kくんが撮りました。

 

 

 

第80回


草ヒロ(廃車)data ■メーカー:ホンダ ■車種:TNⅢ360(3方開きスタンダード後期型4速) ■年代:1970年~1972年 ■場所:福山市北部


ブドウと桃が特産の福山市北部の丘の上、農園を縫うように繋いでいる小道をてくてくと歩いていると、斜面の一角でマッキンレーホワイトの小柄な彼が、春夏秋冬、果実の成長を見守り続けながら静かに休んでいました。
誇らしげなお顔の大きな「H」のプレスマーク。
N360(セダン)、LN360(ライトバン)とともに初期ホンダの4輪部門を牽引したTN360なのは間違いなさそうです。
自慢のフロントグリルはこんがり錆色になり、まるであごヒゲのようで、貫禄があるようで渋い!
ベンチレーターの換気口を縦格子のグリルでうまくカモフラージュしているあたりが、さりげなくてなおオシャレ。
目立たないけど、ライト周りの形状が前期型と比べて角形に近くなっている。
細部にも気を抜かないダンディな彼。
男らしさとは、男臭さとは…。う~ん、マンダム。
発売後、少し経ってから「TNⅢ」のニックネームをもらったんだよね。
後輩TNⅤの4灯フェイスの印象が強すぎるけど、TNⅢも忘れちゃダメだよね。
販売台数も多かったTNⅤは、今でもかろうじてポロポロと目にするけど、キミの方は残念ながら現存数わずかで絶滅状態と思われ…。
錆、ヒビ割れていても美しく、オシャレな古き時代の宝物。
自分と同世代の車だけに残っていてくれることがとても嬉しく感じられます。
どうか静かに土に還ってね。

ちょっとうんちく


ホンダ初の軽トラックであったT360の後継として、1967年(昭和42年)11月にデビューした。
TN360は、先に発売されたN360の空冷 2気筒エンジンをベースに多くのパーツを共用し、複雑なDOHC直4エンジンを搭載し、必ずしも量産に適さなかったT360よりも普遍性を狙ったモデルとして開発されたが、シャシ、ドライブトレーンとリアサスペンションの設計は極めて特徴的なものになっていた。
シャシはT360や競合他社の軽トラックのように強度確保しやすい低床式ラダーフレームではなく、荷台床そのものをプラットフォームフレームとした特殊なモノコック構造で、荷台下面のサブフレームで補強されてはいるが、ライトバン派生型でない本格的な軽トラックとしては他にほとんど例のない構造である。
エンジンはN360の強力なパワーユニットをベースに、後輪駆動の貨物車用シャーシに床下搭載するため、シリンダーブロックをほぼ水平にレイアウト変更したが、N360の横置きエンジン配置は踏襲され、変速機についてもやはりN360の前輪駆動向けトランスアクスルを流用した。従って、パワートレーン一式は後車軸直前への配置を要し、必然的にミッドシップレイアウトとなった。このため荷台後部にはエンジン点検蓋が設けられている。
更にその構造から、差動装置も車体側(バネ上)固定となり、リアサスペンションには独立懸架かそれに類するメカニズムの採用が必須となったが、ホンダでは固定軸と独立懸架の折衷とも言うべきド・ディオンアクスル採用に踏み切った。ド・ディオンアクスルの位置決めは、荷重を担う半だ円リーフスプリングに負わせ、耐久性と簡易性の両立が図られている。これらの軽商用車としては特異なレイアウトは、後年までホンダ軽トラックの基本構造として踏襲され続けている。
その後TN III(ティーエヌ スリー)360、TN-V(ティーエヌ ファイブ)、TN-7(ティーエヌ セブン)とモデルチェンジの度に名前を変えていき、1977年(昭和52年)に後継のTNアクティが登場し、生産が終了された。

TNIII360(1970-1972年)
・1970年1月、マイナーチェンジに伴い車名をTNIII360と変更。フロントグリルの意匠が変更され、運転席にシートベルトが標準装備されたほか、新たに一方開き仕様の荷台を設定。一方開き仕様はサイドスカートが標準装備された。1971年4月に再度マイナーチェンジを実施し、フロントグリルの意匠が変更された。

wikipediaより抜粋


 


・稼ぎまくる若いトラック商売〈益々〉大繁昌!さらに広くなったキャビン・さらに静かになったエンジン・さらに精悍になったスタイル
・若さあふれるホンダTNⅢ360 ご存知〈軽〉最大トラック=ホンダTN360が、グンと若々しくなってお目見え。TNあらためTNⅢと襲名して登場いたしました。
・ますます広く、ますます快適になったキャビン。
・抜群に静かになった強力OHCエンジン。新開発のサイレンサー採用。
・ミニスカートをはいた“おしゃれな車”。
・安全対策もさらにアップ。運転席側にヘッドレストを装着。
・新たにスーパーデラックスも仲間入り。豪華な内・外装を持つ最高級トラック。

パンフレットより


主要諸元
車名 TNⅢ360スタンダード
全長(mm) 2990
全幅(mm) 1295
全高(mm) 1625
ホイールベース(mm) 1780
トレッド(前)1110 トレッド(後)1120
最低地上高(mm) 215
荷台内長(mm) 1800
荷台内幅(mm) 1210
荷台内高(mm) 320
床面床地上高(mm) 620
車両重量(kg) 540
最大積載量(kg) 350
乗車定員 2人
最小回転半径(m) 3.8
エンジン形式 強制空冷4サイクル2気筒OHC
総排気量(cc) 354
圧縮比 8.0
最高出力(PS/rpm) 30/8000
最高速度(km/h) 100
燃費(km/l) 25(40km/h時)
最大トルク(kgm/rpm) 3.0/5500
クラッチ形式 乾燥単板式ダイヤフラムスプリング
変速機形式 常時噛合式前進4段後進1段
かじ取歯車形式 ラック・ピニオン式
懸架及び車軸形式 (前/後) マックファーソン式独立懸架/ド・ディオン式半楕円板バネ式
燃料タンク容量(l) 26
オイルパン容量(l) 3
ブレーキ(前後)リーディング・トレーリング
タイヤ(前後) 5.00-10-4PRULT

 

 

 

※懐かしい廃車たち(出来るだけ天然モノ)を小学生撮影隊と一緒にのんびりと探索・撮影・紹介している趣味コンテンツです。
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