人生いろいろ、車生もいろいろ。
備後の道路脇で見つけた 朽ちゆく車たち。
凹み、錆び、コケ、ヒビ割れていても美しい 古き時代の宝物。
どんなドラマがあったのだろう…。
誰が呼んだか、草むらのヒーローたちを 小学6年M.Kくんが撮りました。
第70回
草ヒロ(廃車)data ■メーカー:日産 ■車種:バネット 初代 (C120型 コーチ9人乗り4ドア1400GL 標準ルーフ) ■年代:1978年〜1988年 ■場所:井原市北部
井原市北部、近在にも広く知られる西日本有数のブドウの産地であるこの地はぶどうの里と呼ばれ、地元の人は郷土に愛着を込めて「グレープ愛ランド」と呼んでいます。
軽トラたちがいそいそと走り回り出した4月上旬、木漏れ日がやわらかな林道の道すがら、デルタくんの隣に、まるで並んで路駐しているかのような塩梅の彼に出会いました。
バネット3兄弟の一人であるキミ。
チャネルによって長男のチェリー、真ん中っ子のサニー、おとんぼーのダットサン。
だんご3兄弟よろしく、骨格・体型は3人とも全て同じだけど顔の表情はちょっと違うんです。
丸型2灯で目のフチが灰色がチェリー、丸型2灯で目のフチが黒色、目と目の間にガーニッシュがあるのがサニー、そして丸型4灯で目のフチがメッキタイプがダットサン。と、わずかに目鼻立ちが違います。
今回出会ったのは真ん中っ子サニーくんの最初期型。
経年劣化でこんがり錆色のキミのボディはまるで醤油だんごのようで美味しそう!?と感じてしまう出来栄え。
9人乗りコーチでオプションのダッシュタイプ純正クーラーや後部座席カーテンも装備してこの山あいから瀬戸内海へみんなでワイワイ繰り出していたことでしょう。
45歳のキミはほとんどもう見かけなくなったけど、今でもバネットの名は引き継がれていて、玄孫にあたる5代目のNV200バネットくんが米国イエローキャブや英国ロンドンタクシー仕様になったりして、ワールドワイドに頑張っているよ。
ストビューにも一切映らないこの場所で、雑木林に見守られながらゆっくり昼寝してくださいね。
♪春になったら 花見 花見 秋になったら 月見 月見〜
夏になったら夏草にすっぽりと覆われて、きっと草団子になっていることでしょうね。
♪それではさよなら また明日
ちょっとうんちく
バネット(VANETTE)は、日産自動車から発売されていたフルキャブオーバータイプの自動車。商用車のライトバンのほか、トラックやワゴン(ミニバン)モデルの「コーチ」なども設定されていた。
初代 C120型(1978年-1988年)
台湾の裕隆汽車においては寶馬(Bobby)の名でバンとトラックがライセンス生産されていた。
・1978年11月
「サニーバネット/チェリーバネット」を発表。「サニーキャブ/チェリーキャブ」の後継車種として登場し、ボディタイプはバン・トラックに加えてバンベースの乗用モデル、コーチの3本立てのラインナップとなった。デビュー当時のグレード構成は下から「CT(コーチを除く)」、「DX」、「GL」。エンジンはA12型(1,200cc)とA14型(1,400cc、バンを除く)の2本立て。サニーバネットは左右のヘッドランプベゼルを車名ロゴ入りのバーで繋ぎBピラーにサニーの「S」マークステッカーを、チェリーバネットはフロントマスク中央に角型の「NISSAN」バッジを配置し、フロントドアに「Cherry」エンブレムを付けることで外観の差別化を図った。
・1979年7月
マイナーチェンジでハイルーフ仕様とロングボディを追加。コーチにはモノリス触媒が採用されたほか、ロングボディに4列シート・10人乗り版が設定された。この他、一部グレードにはリヤクーラーがオプション設定される。また、バンボディにも1,400ccエンジンを追加するとともに、1,400ccのバン・コーチに丸型4灯ヘッドランプを採用した(トラックと1,200cc車は丸2灯を継続)。バン・トラックは昭和54年排出ガス規制適合で基本型式がC121型に変更。
・1980年3月
日産店(ブルーバード販売会社)向けの「ダットサンバネット」が追加され、3姉妹となる。「ダットサンバネット」にはトラックは設定されず、バン・コーチのいずれもA14型エンジンのみを採用し、フロントパネル中央の横長の「NISSAN」エンブレム、ドアウインドウ下の黒色ストライプ、グレー系の内装色(サニー/チェリーバネットはブラウン系)等が特徴となっている。
・1980年6月
マイナーチェンジでコーチのエンジンがA14からA15型(1,500cc)に変更。同時に本格的な乗用モデルとなる「コーチSGL」「コーチSGLサンルーフ」が追加される。「コーチSGL」は他のグレードとの差別化を図るため、角型4灯ヘッドランプが装備された。この意匠も、チェリーバネットはシルバー、サニーバネットはブラック、ダットサンバネットはクロムメッキと差別化されている。リヤシート2列はヘッドレストを埋め込んだ形とし、補助席を他のシートと同じサイズとすることにより、補助席を含めフルフラットが可能となっている。また、サードシートはコンパクトではないものの一体で山型に収納が可能であった。「コーチSGLサンルーフ」は手動サンルーフが定番だった当時の他車に先駆け、屋内収納式の電動サンルーフを装備した。回転対座シートの採用も「コーチSGL」が初となった(補助席は回転しない)。SGLにはスライドドアとバックドアの集中ドアロックが装備される。
・1981年6月
ディーゼルエンジンのLD20型を追加。LD20型はそれまでキャラバンとセドリック/グロリアに使われていたSD20型およびSD22型の代替機種であり、それまでのSD型エンジンに比べ性能向上が図られた。同時にZ20型を搭載するスポーティグレード「SGX」も追加され、LD20型・Z20型を搭載したモデルにはフロアシフトが設定された。
SGXのキャッチコピーは「ワンボックスGT」。
・1982年9月
上級派生車種として「バネットラルゴ」が登場。ベースモデルのバネットに対し車幅を90mm拡大し、エンジンはZ20型・LD20型・LD20T型の3機種を搭載した。
・1982年10月
コーチをマイナーチェンジ。インパネの意匠変更がなされ、廉価グレード「コーチFL」が追加される。それまで助手席の足元に設置されていたクーラーがエアコンに昇格し、空調操作パネルがそれまでのもの(吹き出し口と外気導入切り替えが同じレバーで、温度調整レバーを手前に引くとファンスイッチとなる)からエアミックスタイプに変更された。
同時期に、バネットのインパネ・空調もラルゴと同様のものに変更される(全幅の差異は中央部で調整される)。また、「CT」は4輪ドラムブレーキからフロントディスクブレーキに変更された。
後期型ではヘッドライトの周囲と車名の書体が各車で統一された。フロントのガーニッシュに車名が書かれているが、サニーバネットは銀地に黒文字、ダットサンバネットは黒地に銀文字、チェリーバネットは黒地にオレンジ文字を採用する。また、サニーバネットとチェリーバネットではフロントドアの横にエンブレムが付いていたが、ダットサンバネットではエンブレムがなく、初期型のイメージを継承した。さらにトラックでは、ヘッドライトがガーニッシュの上に干渉するため、「NISSAN」と書かれたステッカーがガーニッシュの上に貼られている。
・1983年10月
DX-A仕様車追加。
・1984年6月
ガラスサンルーフ仕様の「パノラマルーフ」を追加。チルトアップ式(前)・スライド式(後)のサンルーフが繋がっており、前が上がり切ってから後ろがスライドするタイプである。パノラマルーフ車はシート地の変更と前後可動式ヘッドレスト(フロントシート)が追加される。
・1985年8月
バンのトランスミッション変更。
・1985年9月
ラルゴを除いたコーチ・バンの生産を終了。
・1986年5月
バネットラルゴ生産終了。
・1986年7月
ダットサンバネットトラック発売。
・1986年11月
一部改良。駐車灯が廃止される。
・1988年11月
トラック生産終了。
wikipediaより抜粋
主要諸元
車名・形式 日産・E-KPC120
車種記号 KPC120YG(コーチ9人乗り1400GL)
全長(mm) 3900
全幅(mm) 1600
全高(mm) 1760
ホイールベース(mm) 2075
トレッド(前)1335 トレッド(後)1330
最低地上高(mm) 165
荷台内長(mm) 2995
荷台内幅(mm) 1440
荷台内高(mm) 1195
車両重量(kg) 1005
乗車定員 9人
登坂能力(tanθ) 0.36
最小回転半径(m) 4.2
エンジン形式 A14型水冷直列OHV4気筒
燃費(km/l) 16.0
総排気量(cc) 1397
圧縮比 9.0
最高出力(PS/rpm) 75/5400
最大トルク(kgm/rpm) 11.5/3200
燃料タンク容量(l) 47
トランスミッション コラム4速フルシンクロ
ブレーキ(前/後)ディスク式/リーディング・トレーリング式
タイヤ(前後) 165SR13
※懐かしい廃車たち(出来るだけ天然モノ)を小学生撮影隊と一緒にのんびりと探索・撮影・紹介している趣味コンテンツです。
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