草むらのヒーローたち No.044

人生いろいろ、車生もいろいろ。

備後の道路脇で見つけた 朽ちゆく車たち。

凹み、錆び、コケ、ヒビ割れていても美しい 古き時代の宝物。

どんなドラマがあったのだろう…。

誰が呼んだか、草むらのヒーローたちを 小学5年M.Kくんが撮りました。

 

 

 

第44回


草ヒロ(廃車)data ■メーカー:日産 ■車種:シルビア(5代目前期 S13 CA18DE型) ■年代:1988年〜1993年 ■場所:井原市西部


人肌恋しい冬の井原市西部、長閑な里山だけど山肌にはソーラーパネルの海、海、海。
現代の無機質で醜悪な風景に萎えていたその時、スペシャルなヤツに出会いました。
こんなところにいるとは想像すらしなかった一台に漲る息子と私。
バブル期を駆け抜けたモテ車のキザな彼。
グッドデザイン大賞や日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞のかっこよさは折り紙付き。
♂も♀からもデートカー(死語)として大ウケでした。
アート・フォースと謳うだけある感性にうったえかける美しすぎるデザインは数多の甘いエピソードを生んだことでしょう。
ライバル「プレリュード」の牙城を崩した武勇デンデン デデン デンは有名。カッキーン!
サンルーフやリアスポがなんとなくいやらしいムードを醸し出しています。
多くの若者の愛を育み、日本を元気にさせた偉大なるS13君に栄光あれ。ブラボーォォォ!!!

追伸 仲間たちは現在でも走り屋御用達のドリ車として元気に走行中。最近国産スポーツカー人気が再燃してまたブイブイ言わしているみたいだよー。

ちょっとうんちく

1988年にデビューした通称S13こと5代目シルビア。シルビアとはラテン語で「森」の意味。ギリシャ神話に登場する美しい乙女・シルヴィアの名前からきている。「アート・フォース」と謳った流麗なデザインのボディラインや希少な存在だったFRクーペであることで、発売と同時に高い人気を獲得。

1988年、デビューイヤーのグッドデザイン大賞や1988~1989年日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したほど評価が高かった。先行していた3代目ホンダ・プレリュードとともに、スペシャリティカー(デートカー)ブームを巻き起こした。

いっぽうでFR、MT、ターボの3拍子が揃っていたため、走りを重視するユーザーにも歓迎され、代替わりする1993年までの間に、国内販売台数が30万台を超える、歴代モデル中最大のヒット作となった。

デビュー当時のエンジンは先代から採用された1800cc直4CA型をDOHC化したCA18DE型(NA)およびCA18DET型(ターボ)の2種類。それぞれ最高出力と最大トルクは135ps/16.5kgm(NA)、175ps/23kgm(ターボ)だった。トランスミッションはそれぞれのエンジンに5速MTと4速トルコン式ATがあった。1991年マイナーチェンジ時に2000cc直4のSR型に変更。SR20DE型(NA)、SR20DET型(ターボ)に変更され、それぞれ最高出力と最大トルクは140ps/18.2kgm(NA)、205ps/28kgm(ターボ)へと向上した。ターボ車のパワーウエイトレシオは5.6kg/psを達成。

1989年には兄弟車のリトラクタブルライトを持つ3ドアハッチバッククーペ版・180SXが発売された。

・今回の撮影車は1988年前期S13Q’sグレード(ATモデル)でカラーはウォームホワイトツートン。

・トランプ流のJ’s(シンプル)・Q’s(豪華装備)・K’s(ターボ)・オールマイティ・ダイヤセレクションなどのグレード名もトリッキーでインパクトがあった。

・コンソール下部まで一体になっているインパネや、一体発泡成型で作られた縫い目のないシートのなど、斬新なインテリアも見どころだった。

・FRのシルビアや180SXは現在でも走り屋のドリフトマシンとして絶大な人気を誇り、名機であるターボエンジンSR20DETはチューニングアフターパーツなども多く出ている。シルエイティという変わり種も生まれた。

 

主要諸元(デビュー時Q’s)
型式 S13
全長 4470mm
全幅1690mm
全高 1290mm
ホイールベース 2475mm
車両重量 1130kg(AT)
乗車定員 4名
エンジン CA18DE型 (直列4気筒DOHC)
総排気量 1809cc
最高出力 135ps/6400rpm
最大トルク 16.2kg・m/5200rpm
ブレーキ(前/後) ベンチレーテッドディスク/ディスク
サスペンション(前・後) マクファーソンストラット式/コイル・マルチリンク式/コイル
タイヤ 195/60R15

※懐かしい廃車たち(出来るだけ天然モノ)を小学生撮影隊と一緒にのんびりと探索・撮影・紹介している趣味コンテンツです。
※内容については正確な情報とは限りませんのでご了承ください。
※撮影場所については、部品取りやいたずら防止のため一切シークレットです。
※掲載後の情報提供や現存確認は一切しておりません。
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