草むらのヒーローたち No.038

人生いろいろ、車生もいろいろ。

備後の道路脇で見つけた 朽ちゆく車たち。

凹み、錆び、コケ、ヒビ割れていても美しい 古き時代の宝物。

どんなドラマがあったのだろう…。

誰が呼んだか、草むらのヒーローたちを 小学5年M.Kくんが撮りました。

 

 

 

第38回


草ヒロ(廃車)data ■メーカー:スバル ■車種:サンバーライトバン(3代目K81 5ドアスタンダード) ■年代:1973年〜1982年 ■場所:福山市東部


忙しい師走にのんびり草ヒロ探検。
ゴルフ場近くの山深いぐねぐね道を探索中、車窓から一瞬となりの山肌に白い箱が視界をかすめました。
気になり最短トラバースで会いに行くと、そこにいたのは剛力くん。
どうやってここに辿り着いたんだい?
ゴロゴロ転がっているレトロなキリンレモンのコンテナ空ケースたちに囲まれて、いやぁ、元気で何よりです。
当時、軽最大!目いっぱいとった自慢の大型スライドドアは迫力いっぱい。
大モノ、小モノ、なんでも来いの頼もしさ!
小さくても力持ちなのは、イメキャラだった初代貴ノ花にピッタリ!
パパと同年代のキミだけに、残っていてくれてとても嬉しかったよ。
なかなか近づきにくい場所ゆえに、これからもずっとここ福山の空の下にキミはいるはずだよね。
きっと…。忘れないよ。

 

 

ちょっとうんちく

「ババーン」「すとろんぐ」に次ぐ農道のポルシェ、3代目の剛力サンバー。
剛力ボディは軽トラック最大の荷台、剛力エンジンはパワフルな水冷エンジン、剛力足回りは強化されたサスペンションを謳い文句に、愛称「剛力サンバー」として親しまれました。
〜〜小さくて充実している車「ちびコロジー」の考え方を満身に装備。便利さで定評のハリキリ屋〜〜
というキャッチコピーにもあるように、軽自動車すなわち「ちび」と、「エコロジー」を掛け合わせた造語をスバルが提案し、軽自動車の経済性や省エネ性を大いにアピールしたモデルの一台でした。
珍しいのはエンジン仕様が一代で何度も変わったこと。
K71・81は水冷2サイクル360cc、K73・83は水冷4サイクル360cc、K75・85(サンバー5)は水冷4サイクル490cc、K77・87(サンバー550)は水冷4サイクル544cc。

この車は車幅灯がクリアからアンバーへ変更後の1974年式と思われる。特徴としては
・開口部は当時軽ライトバンで最大の高さ1085ミリ×横幅765ミリ、荷室床面地上高375ミリ
・どこでも止まるフリーストップの一枚はねあげ式バックドア採用
・安全重視のガードバー付き荷室側面ウィンドウ
・乗り心地は乗用車並みの4輪独立懸架

S48年2月発行の剛力サンバーカタログに載っているイメージキャラクターの初代貴ノ花曰く
・ご主人、スバルサンバーはわたしのように剛力です。こいつを使って稼ぎまくってください。
・相撲でいうならふところの深さ。サンバーは広い荷台が自慢!
・強い足腰は力士のいのち、クルマも同じです。
・ご主人、剛力サンバーライトバンは、わたしのようにワザ師ですよ。
とのこと。さすが力強いコピーです。どすこい(笑)


SUBARUオンラインミュージアムより抜粋


フルモデルチェンジを受けた三代目サンバーシリーズが発売されたのは1973年2月10日。新型の水冷2サイクル360ccエンジンを搭載し、『剛力サンバー』という愛称が与えられました。

1976年1月には軽自動車規格が改定施行されて全長は3.20m、幅は1.40mに、排気量も550ccにまで拡大されます。これに合わせて、サンバーも1976年の5月に新規格サンバーシリーズ『サンバー5』を発売。

エンジンは従来の空冷2サイクルから、水冷4サイクル2気筒490cc・28PSにパワーアップしています。さらに翌1977年5月にはボディを規格枠いっぱいに拡大し、低・中速トルクを大幅に向上させた水冷4サイクル2気筒544ccの新エンジン・28PSを搭載した『サンバー550』を発売しました。

トラックの荷台は従来よりも荷台幅で80㎜、荷台床面長で5㎜拡大され、幅1330㎜×床面長2010㎜となり、クラス最大のキャパシティ(77年5月現在)を誇っていました。それから2年経った1979年10月には、軽キャブバン初のハイルーフ仕様をラインアップ。

同モデルの荷室高は1425㎜と、小型ハイルーフを凌ぐものでした。そして1980年11月には、2WD(RR)と4WD切換え式の4WD機構を備えたサンバー4WDが発売されています。

三代目サンバーが生産されていた9年間で、サンバーはビジネス用途の性能に磨きをかけただけでなく、バンの広い荷室容積を生かして、レジャー用途としての可能性も大きく拡大していきました。

剛力サンバー(1975年)
サイズ:全長2995㎜×全幅1295㎜×全高1610㎜
ホイールベース:1730㎜
トレッド:(前)1120㎜ (後)1115㎜
最低地上高:185㎜
車両重量:630㎏
乗車定員:4人

エンジン:EK34
型式:水冷2サイクル2気筒
排気量:356cc
最高出力:28PS/5500r.p.m.
最大トルク:3.8㎏・m/5000r.p.m.

サスペンション
フロント:セミトレーリングアーム式独立懸架
リヤ:セミトレーリングアーム式独立懸架(トラック低床式)

以上、スバルHP SUBARU Philosophyより


 

※懐かしい廃車たち(出来るだけ天然モノ)を小学生撮影隊と一緒にのんびりと探索・撮影・紹介している趣味コンテンツです。
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