草むらのヒーローたち No.037

人生いろいろ、車生もいろいろ。

備後の道路脇で見つけた 朽ちゆく車たち。

凹み、錆び、コケ、ヒビ割れていても美しい 古き時代の宝物。

どんなドラマがあったのだろう…。

誰が呼んだか、草むらのヒーローたちを 小学5年M.Kくんが撮りました。

 

 

 

第37回


草ヒロ(廃車)data ■メーカー:マツダ ■車種:3代目ファミリアプレスト(1300AP) ■年代:1973年〜1977年 ■場所:井原市南部


初雪の舞った標高の少し高い井原市某所。
じゃがいも畑へと続くS字小径をポテポテと歩いていると、傍にちょこんと鎮座しているマーガレットホワイトの彼を発見。
オーバルシェイプと呼ばれていた華麗なフォルムが実に美しい。
ボンネットはフレームだけを残して朽ち果て、もう動く気配のないエンジンが露出している。
これぞ朽ちゆく車体の美しさ。いい錆だ。
そしてこれぞマツダ!!青い丸型エアクリーナーケース、重厚なヘッドカバーや、苔むしたプラグコードに震えました。
どれをとってもノスタルジックな雰囲気をいやがうえにも盛り上げてくれます。
車内をとくと観察してみるとスコップやバケツ、ポールなど、どうやら今でも農具置き場として活躍しているよう。
いつまでこの状態を維持できるのか分からないけど、これまでもこれからも彼はずっとここで永遠の時を過ごすことでしょう。
感動と興奮のひとときでした。

 

ちょっとうんちく

 


マツダ公式サイト マツダの名車たちより抜粋

1973年(昭和48年)10月、第4次中東戦争をきっかけに、第1次オイルショックが勃発した。日本国内では、オイルショックと直接的に関係のないトイレットペーパーや洗剤などの買占め騒動が起こるほど、それはかつてない生活への不安を人々に与えた。
自動車メーカーは、それまでの安全問題、排ガス規制問題にくわえ、低燃費への挑戦という試練に立ち向かうことになった。

3代目のファミリアは、そのオイルショック直前の73年9月に発売となった。車名は、「ファミリアプレスト」となった。プレストとは、イタリア語で「早いリズム」の意味である。2代目ファミリアの途中で、ワンランク上級のファミリアとして誕生したプレストが、正式にファミリアを背負って立つことになったのだ。

ファミリーカーとして実質的な価値を高めたモデルとして、居住性、操作性、品質を中心に、機能の向上を行っている。車体は、全長/全幅ともに大型化し、「ワイド・プレスト」などとも呼ばれた。活気に満ちた時代に贈る、躍動感あふれるクルマのイメージが、プレストの車名にこめられていた。

3年後の76年2月には、希薄燃焼を採り入れ、またマツダ独自の酸化触媒を装備して昭和51年排ガス規制に適合した1,300ccエンジンを搭載する、「ファミリアプレスト1300AP」が発売となった。
同じ時に、外観デザインがファミリアプレストと異なり、サバンナと共通のスタイルを持ち、そして、プレスト1300APと同じエンジンを搭載する「グランドファミリア1300AP」が登場している。


 

 

・1970年代の厳しい排ガス規制対策時代やオイルショックなどを生き抜いてきたマツダの経営危機を救ったモデルとして有名。

・マツダマークが「m」から「Mazda」に変更。

・S51年自動車排出ガス規制に適合するため、1976年マイナーチェンジ時にエンジンが1.3Lに一本化され、ファミリアプレスト1300APとなる。APとはアンチポリューション(公害対策車)の頭文字。CEAPS(シープス)システム(希薄燃焼方式)を採用し、当初87馬力のエンジンは72馬力にパワーダウンしていた。燃費はリッター22㎞の低燃費。

・韓国の起亜自動車が「ブリサ」という名でライセンス生産した。

・デザインは『オーバルシェイプ』と呼ぶ、丸みを活かしたモダンな姿であった。また、ヘッドライトは当時流行の丸型で、三角窓のないフロントサイドドアウィンドウ、曲面ガラスなど、新しい要素を採り入れていた。

・1977年1月のフルモデルチェンジで4代目に移行し、再び「ファミリア」の車名に戻された。

 

諸元表
全長 3855mm
全幅 1540mm
全高 1380mm
ホイールベース 2260mm車両重量 820kg
乗車定員 5名
駆動方式 FR
モデル FA3型
エンジン形式 TC 水冷直列4気筒SOHC8バルブ
総排気量 1272cc
最高出力 72ps
変速機 4速MT

 

 

 

※懐かしい廃車たち(出来るだけ天然モノ)を小学生撮影隊と一緒にのんびりと探索・撮影・紹介している趣味コンテンツです。
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