草むらのヒーローたち No.034

人生いろいろ、車生もいろいろ。

備後の道路脇で見つけた 朽ちゆく車たち。

凹み、錆び、コケ、ヒビ割れていても美しい 古き時代の宝物。

どんなドラマがあったのだろう…。

誰が呼んだか、草むらのヒーローたちを 小学5年M.Kくんが撮りました。

 

 

 

第34回


草ヒロ(廃車)data ■メーカー:スバル ■車種:サンバートラック(3代目K73三方開き360cc) ■年代:1973年〜1982年 ■場所:福山市加茂町


加茂町北部の山中、永遠と上り勾配が続く終着点。
竹林の隙間から姿を現したのは農道のポルシェことサンバーくん。
さして周りを気にする風もなく、淡々と佇んでいます。
それもそのはず。鉄柵ならぬ竹柵で囲まれて、どう足掻いても脱出不能の憂き目に遭い、ニッチもサッチもいかないご様子。
剛力なキミでもこれではお手上げだね。
今までにないなかなかユニークなシチュエーション。
こんな状態でいったい幾年月経っているんだい?
居心地悪いけど、バンブー造りの“ムショ”の中で大人しく長生きしてね。

 

ちょっとうんちく

 

「ババーン」「すとろんぐ」に次ぐ農道のポルシェ、3代目の剛力サンバー。
剛力ボディは軽トラック最大の荷台、剛力エンジンはパワフルな水冷エンジン、剛力足回りは強化されたサスペンションを謳い文句に、愛称「剛力サンバー」として親しまれました。
〜〜小さくて充実している車「ちびコロジー」の考え方を満身に装備。便利さで定評のハリキリ屋〜〜
というキャッチコピーにもあるように、軽自動車すなわち「ちび」と、「エコロジー」を掛け合わせた造語をスバルが提案し、軽自動車の経済性や省エネ性を大いにアピールしたモデルの一台でした。
珍しいのはエンジン仕様が一代で何度も変わったこと。
K71は水冷2サイクル360cc、K73は水冷4サイクル360cc、K75(サンバー5)は水冷4サイクル490cc、K77(サンバー550)は水冷4サイクル544cc。
今回のモデルはサンバー5に移行直前の360ccモデルで、サンバー5のフロント周りのデザインを先取りした顔面フライングモデル(笑)。

 

以下、スバルHP SUBARU Philosophyより


フルモデルチェンジを受けた三代目サンバーシリーズが発売されたのは1973年2月10日。新型の水冷2サイクル360ccエンジンを搭載し、『剛力サンバー』という愛称が与えられました。

1976年1月には軽自動車規格が改定施行されて全長は3.20m、幅は1.40mに、排気量も550ccにまで拡大されます。これに合わせて、サンバーも1976年の5月に新規格サンバーシリーズ『サンバー5』を発売。

エンジンは従来の空冷2サイクルから、水冷4サイクル2気筒490cc・28PSにパワーアップしています。さらに翌1977年5月にはボディを規格枠いっぱいに拡大し、低・中速トルクを大幅に向上させた水冷4サイクル2気筒544ccの新エンジン・28PSを搭載した『サンバー550』を発売しました。

トラックの荷台は従来よりも荷台幅で80㎜、荷台床面長で5㎜拡大され、幅1330㎜×床面長2010㎜となり、クラス最大のキャパシティ(77年5月現在)を誇っていました。それから2年経った1979年10月には、軽キャブバン初のハイルーフ仕様をラインアップ。

同モデルの荷室高は1425㎜と、小型ハイルーフを凌ぐものでした。そして1980年11月には、2WD(RR)と4WD切換え式の4WD機構を備えたサンバー4WDが発売されています。

三代目サンバーが生産されていた9年間で、サンバーはビジネス用途の性能に磨きをかけただけでなく、バンの広い荷室容積を生かして、レジャー用途としての可能性も大きく拡大していきました。

剛力サンバー(1973年2月)
サイズ:全長2995㎜×全幅1295㎜×全高1610㎜
ホイールベース:1730㎜
トレッド:(前)1120㎜ (後)1100㎜
最低地上高:200㎜
車両重量:545㎏
乗車定員:2人

エンジン:EK34
型式:水冷2サイクル2気筒
排気量:356cc
最高出力:28PS/5500r.p.m.
最大トルク:3.8㎏・m/5000r.p.m.

サスペンション
フロント:セミトレーリングアーム式独立懸架
リヤ:セミトレーリングアーム式独立懸架(トラック低床式)


 

 

※懐かしい廃車たち(出来るだけ天然モノ)を小学生撮影隊と一緒にのんびりと探索・撮影・紹介している趣味コンテンツです。
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