草むらのヒーローたち No.033

人生いろいろ、車生もいろいろ。

備後の道路脇で見つけた 朽ちゆく車たち。

凹み、錆び、コケ、ヒビ割れていても美しい 古き時代の宝物。

どんなドラマがあったのだろう…。

誰が呼んだか、草むらのヒーローたちを 小学5年M.Kくんが撮りました。

 

 

 

第33回


草ヒロ(廃車)data ■メーカー:ダイハツ ■車種:ハイゼット スライドバン スーパーデラックス(4代目S38 前期) ■年代:1972年〜1981年 ■場所:福山市加茂町


加茂町北部の山の中、密林地帯を抜けた山頂付近の廃集落の駐車場の端っこに、気持ちよさそうに日向ぼっこをしているサブロクの彼がいました。
宇宙人?たぬき?出目金?はたまたドラえもん?などと呼ばれていた、吊り目で睨みを効かせるその顔つき。「ハイゼット」といえばこの顔じゃろうという人も多いのでは…。
やっと会えてうれしいよ。まだ生存していたんだね。
残っていてくれてありがとう。
かつてあれだけ走っていて珍しくもなんともなかった君も、すでに車齢はアラフィフ。
廃車体ですら遭遇することも稀になってしまいました。
樹木の中に溶け込むような鮮やかなグリーンの車体は、息を呑むような美しさ。
草ヒロになった今もよく目立って素敵です。
同期の縦目4灯TN君と出会ったら、また連絡するからね。バイバイ。

 

ちょっとうんちく

 

軽ライトバン初のスライドドア(しかも両スラ)や、跳ね上げ式バックドアを採用し、現在の軽バンのスタンダードとなるスタイルを確立したすごいヤツ。
愛嬌のあるフロントマスク故に「ドラえもんハイゼット」とも呼ばれていました。
昔の小さめの白いナンバープレートから、現在の「黄色地に黒字」の大きいナンバープレートに変わってからは、ちょっとドラえもんには見えづらいかも。
この車体は2サイクルエンジン360CCモデル、300kg積みの4速マニュアル仕様でした。
『でっか〜イ 余裕しゃくしゃく 磨きぬかれた車だけがもつこの余裕。まさに軽商用車のリーダーです。』
というカタログコピー通りのクラス中最大の荷室と機能的な両スラの5ドアで、使い勝手抜群、当時軽ライトバン人気No.1でした。

 

 


軽ライトバンで初めてスライド式ドアを採用し、「ハイゼットスライドバン」としてフルモデルチェンジ。クラス中最大の荷室と機能的な5ドアで使い勝手の良さが向上しました。また4代目バンでは急速充電システム付きの「クイックチャージ式電気自動車」を開発、1976年の大阪国際見本市に出展しました。

全長:2,990mm 全幅:1,295mm 全高:1,585mm
ホイールベース:1,680mm トレッド:前1,110mm 後1,100mm
エンジン:水冷2サイクル直列2気筒
排気量:356㏄
最高出力:26PS/5,500rpm
最大トルク:3.7kg•m/4,500rpm
(スペックは代表例です)

ダイハツ公式HP ハイゼット60周年特集より抜粋


 

 

※懐かしい廃車たち(出来るだけ天然モノ)を小学生撮影隊と一緒にのんびりと探索・撮影・紹介している趣味コンテンツです。
※内容については正確な情報とは限りませんのでご了承ください。
※撮影場所については、部品取りやいたずら防止のため一切シークレットです。
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