人生いろいろ、車生もいろいろ。
備後の道路脇で見つけた 朽ちゆく車たち。
凹み、錆び、コケ、ヒビ割れていても美しい 古き時代の宝物。
どんなドラマがあったのだろう…。
誰が呼んだか、草むらのヒーローたちを 小学5年M.Kくんが撮りました。
第32回
草ヒロ(廃車)data ■メーカー:三菱ふそう(当時、三菱自動車工業よりリリース) ■車種:キャンター(4代目FE1・2型 消防ポンプ車) ■年代:1978年〜1985年 ■場所:笠岡干拓地
トウモロコシやイチジク、ブロッコリーなどの広大な畑。
行けども行けども景色が変わらない、単調な道路を走っていると、かっこいい真っ赤なヒーローが停まっていました。
なんでこんなところにいるのだろう。
もしかしたら払い下げ後、彼の強力なポンプで目の前に広がる広大なブロッコリー畑に散水していたのでは…。と勝手に楽しく想像します。
火事や救命活動に出動する機会が少なければ少ないほど幸せな車生(人生)である消防ポンプ車の彼。
サイドには塗りつぶされてはいるけど、うっすらと消防署の名前が残っています。
子どもは運転席にある無線機やサイレンのスイッチ、給水ホースなど、見たことのないような装備に大興奮!
消防士になりきり、珍しい装備をじっくり観察していました。
「火の用心」「119番通報」「現場に急行」「放水はじめ」
少しの時間でしたが、消防隊員になりきって少し自信がついた息子がそこにいました。
今日までの消火・防火活動に感謝しています。
ちょっとうんちく
小型トラック「キャンター」は1963年のデビューから8度のフルモデルチェンジを行ってきた現役の人気モデル。
現在三菱ふそうが販売するキャンターは、初代モデルが1963年に三菱重工業からリリースされ、その後三菱自動車工業に引き継がれました。5度にわたるモデルチェンジの後、
現在は三菱ふそうで製造販売され、現行9代目キャンターに続いています。
高い知名度とブランドイメージがあり、3社で合計8度のモデルチェンジが行われました。
中でも人気の高かった4代目キャンター(1978年~1985年)はイメージカラーが黄土色(アリゾナクリーム)だったこともあり「黄金キャンター」と呼ばれました。モデルチェンジ当初のキャッチフレーズは「黄金の足」
当初ワイドキャブと3トン車が設定され、標準キャブは「キャンター20」と「キャンター30」、ワイドキャブは「キャンターワイド20」「キャンターワイド30」と言う名前で発売されました。
1980年のマイナーチェンジではワイドキャブ車にパワーステアリングがオプション設定。さらに1.5トン・3.5トン車が追加、1982年にはディーゼルターボエンジン(120ps)が追加されました。また1983年にはウォークスルーバン(キャンターウォークスルー)を発売。純正色である「アリゾナクリーム」とグリル周りの「ふそうブラックベルト」デザイン、「M字エンブレム」などが魅力でした。
当時スポンサー提供していた「3年B組金八先生」の第1シリーズで、武田鉄矢扮する金八先生の引越しシーンで活躍していました。
今回のキャンターは型式K-FE120Bダブルキャブ、消防ポンプ車仕様の特装車で、エンジンは型式4DR5型水冷4サイクル直列過流室式ディーゼルで総排気量2,659cc、最高出力80PS/3,700rpm・最大トルク18.0kg・m/2,200rpm。
トランスミッションはオーバートップ付き5段トランスミッション。コラムシフト。
※懐かしい廃車たち(出来るだけ天然モノ)を小学生撮影隊と一緒にのんびりと探索・撮影・紹介している趣味コンテンツです。
※内容については正確な情報とは限りませんのでご了承ください。
※撮影場所については、部品取りやいたずら防止のため一切シークレットです。
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