草むらのヒーローたち No.031

人生いろいろ、車生もいろいろ。

備後の道路脇で見つけた 朽ちゆく車たち。

凹み、錆び、コケ、ヒビ割れていても美しい 古き時代の宝物。

どんなドラマがあったのだろう…。

誰が呼んだか、草むらのヒーローたちを 小学5年M.Kくんが撮りました。

 

 

 

第31回


草ヒロ(廃車)data ■メーカー:東洋工業(現:マツダ) ■車種:ボンゴ2代目・マルチバン(600kg積ハイルーフBA2T型) ■年代:1977年〜1983年 ■場所:井原市南部


井原市南部の山あい、旧東城往来笠岡道沿いの住宅の庭先に、四方を植物に包囲されながらひっそりと佇む彼を見つけました。
ジトジトした沢のほとりで、全身苔むしてサビまみれになっていたのは、ほっこり顔の山城ボンゴ。
♪ボ ン ゴ マルチバ~ン♪
時の山城新伍がイメージキャラクターを務め、ラクダと共演して凸(コブ)がない□(まったいら)な荷台を訴求していたCMを今でも鮮明に覚えています。
アイデンティティの後輪ダブルタイヤは隠れていて撮れなかったけど、しっかり健在でした。
カスタムの定番だったカリフォルニアミラーとフォグランプがナウいぞ!
何度も開閉して使い込まれたであろうスライドドアは外れ落ち、痛々しく不憫でした。
道ゆく人たちからは見えにくいところで静かに余生を送る彼。哀愁を誘います。

 

ちょっとうんちく

「ボンゴ」と聞いて直感的に箱型のクルマを思い浮かべる人は多いだろう。エンジンを床下に置くキャブオーバー型車として一世を風靡し、ワンボックスカーの代名詞ともなったボンゴは、今から42年前に誕生した。
1966年、水冷4気筒800ccエンジンをリアに搭載する超低床式多用途車として、ボンゴは発売された。トラック、バン、コーチなどが同時に市場デビュー。コーチはバンのボディに3列シートを搭載して8人乗りとした乗用モデルで、いわばワゴンのはしり的存在だった。初代ボンゴの最大の特徴は「超低床」。床面地上高はトラックで460mm、バンで450mmという大人の膝ほどの低さである。また、ボンゴは軽量クラスのキャブオーバー型バンとしてパイオニア的存在で、これ以降、ワンボックスカーの代名詞として定着することになった。

1977年には2代目ボンゴを発売。全モデルで小径ダブルタイヤ採用という、低床化への新たなアプローチが注目を集めた。タイヤハウスが消えたフラットな低床は、トラック(ボンゴワイドロー)ではクラス初、バンにいたっては業界初であり、市場に大きなインパクトを与えた。タレントの山城新吾氏を起用したユーモラスなCMも秀逸でボンゴシリーズは瞬く間に大ヒット。月5千台をコンスタントに販売し、マツダの国内ディーラーの最量販車種ともなった。ボンゴワイドローの成功は、その後同クラスの低床車市場への一斉参入を促した。
(以上、マツダ公式HPより引用)

積んで差が出る、走って差が出る、ボンゴマルチバンの特徴は、なんといっても荷室の便利さ。面積はクラス最大の2260mm×1480mm。邪魔なタイヤハウスの張り出しのない、まったいらなフロアを採用。バンの平床時代の先駆けとなりました。当時山城新伍がイメキャラとして大ヒットしたユーモアなCMは、記憶に新しいところです。凸も凹ない□(まったいら)な荷室の活用法としてカタログで推されていたのは、
●家族水入らずのキャンプ使用
●親子3人が川の字になってくつろげる
●テントに早変わり
●大人4人が余裕十分にテーブルを囲める
●車内チョメチョメ←これはカタログには載ってないヤツ (*´-`)

キャビン空間の快適性と安心感は、ほかの車では真似できない、ひと味違うボンゴマルチバンの強みの一つでした。

 

 

 

 

※懐かしい廃車たち(出来るだけ天然モノ)を小学生撮影隊と一緒にのんびりと探索・撮影・紹介している趣味コンテンツです。
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