人生いろいろ、車生もいろいろ。
備後の道路脇で見つけた 朽ちゆく車たち。
凹み、錆び、コケ、ヒビ割れていても美しい 古き時代の宝物。
どんなドラマがあったのだろう…。
誰が呼んだか、草むらのヒーローたちを 小学5年M.Kくんが撮りました。
第27回
草ヒロ(廃車)data ■メーカー:ダイハツ ■車種:フェローMAX SS(2代目 L38型)2ドアセダン ■年代:1970年〜1977年 ■場所:福山市北部
福山市北部、七曲りトンネル近くの金山入口にあたる此処は、かつての鉱山繁栄を物語る廃屋が残る神秘的な隠れ里のようなところ。
もう誰も通らないであろう往還に、金に輝く彼女が居座っていました。
空力にこだわったロングノーズ&カムテールのボディ。フロントグリルには輝くスーパースポーツのSSバッジ、ナルディタイプのステアリングホイールなどのアクセサリーを身につけています。
それは速さを謳うことが許された360cc時代の軽最強トップモデルの証。
最高速120㎞・ゼロヨン19.8秒・40馬力のど根性。リッター100馬力越えは今でも脅威的な凄まじさ。乗りこなすにはかなりの技量が必要だったらしい…。
見た目も中身もヒツジな車が多いこのご時世、こんなジャジャ馬がいたら、運転も楽しいハズ。
彼女の熱いレーシングスピリッツには感動させられっぱなしでした。
ちょっとうんちく
1970年4月、フェローは2代目となりボディを一新。FRからFFに駆動方式を変更、車名にサブネームをつけ「フェローMAX」としてデビューした。
ロングノーズ & カムテールのボディバリエーションは2ドアセダンと3ドアバンでスタートし、のちにハードトップと4ドアセダンを追加。サスはフロントがストラット、リアはセミトレーリングアームの4輪独立懸架となった。
3か月後、スポーツグレードのSS(スーパースポーツ)を追加。搭載エンジンは水冷、2サイクル2気筒、356cc、ツインキャブ40psのZM5型で、最高速120km/h、0→400m加速は19.8秒を記録した。
11.0と圧縮比を高め、軽自動車最強の40psだった。
メーターパネルは曲面パネルで、タコメーター、スピードメーター、コンビネーションメーターを配置。
タコメーターは3000回転まで黄線、3000~7100回転まで白線、 7200~7400回転を赤線、7500回転以上を赤の帯で表示。
この車のピークパワーの発生は7200rpmと常に高回転をキープした走りを強いられた。
そのため黄線部分は「なるべく3000回転以上を保って走ってください」という警告の意味だったらしい。
スピードメーターは140km/hまで20km/hに刻まれている。
メーターの左側にはヒーターコントロールレバー、ラジオ、シガライター、チョークなどが配置され、インパネはすっきりとして視認性も良かった。
1972年、排出ガス規制対策でSSはデチューン版のZM13型、37psに換装。
1975年2月、ZM13型は廃止、31psのZM12型のみとなり、SSも生産中止された。
金に輝くキャニオンイエローのボディが神々しい。
苔むしたナルディタイプのハンドルがまるで発光しているよう。
タコの3000回転以下(黄線表示)はスカスカなのでエンスト注意!
諸元表
全長 2995mm
全幅 1295mm
全高 1295mm
ホイールベース 2090mm
車両重量 465kg
乗車定員 4名
駆動方式 FF
モデル L38型
エンジン形式 ZM5型・直2 2サイクル
総排気量 356cc
最高出力 40ps / 7200rpm
最大トルク 4.1kg-m / 6500rpm
変速機 4速MT
サスペンション 前:ストラット 後:リセミトレーリングアーム
タイヤサイズ 5.20-10-4PR(135SR10)
価格 39万8000円
すぐ隣にはNコロもいました
※懐かしい廃車たち(出来るだけ天然モノ)を小学生撮影隊と一緒にのんびりと探索・撮影・紹介している趣味コンテンツです。
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