草むらのヒーローたち No.015

人生いろいろ、車生もいろいろ。

備後の道路脇で見つけた 朽ちゆく車たち。

凹み、錆び、コケ、ヒビ割れていても美しい 古き時代の宝物。

どんなドラマがあったのだろう…。

誰が呼んだか、草むらのヒーローたちを 小学5年M.Kくんが撮りました。

 

 

 

第15回


草ヒロ(廃車)data ■メーカー:ダイハツ ■車種:オート3輪(CM8型) ■年代:1962年〜1972年 ■場所:岡山県吉備中央町


岡山県の真ん中の街、吉備中央町。
国道沿いで異彩を放つ大物の姿を見つけました。
廃材と一緒に放置され、半世紀近く野ざらし状態であろうセミ顔の彼。
ボンネット左サイドの筆記体のダイハツロゴが洒落てるね。
トレードマークの大阪城エンブレムは流石に拝めませんでした…。
それでも月日を感じさせるアイビーブルーのボディはなんとか原型を保ち、状態はすこぶる悪いけれど、今となってはめちゃくそ貴重な一台。
丸くて愛嬌のあるフォルムは、まるで0系新幹線と同じ味わい。
バタンコと呼ばれたミゼットの兄貴分としてデビューし、1970年代前半まで日本各地を駆け回っていたよね。
役目は終わり、朽ちるに身を任せて草に埋もれ、いずれ土に還る。
どうか撤去されず穏やかな時間を送ってください。
それではお達者で。

 

 

ちょっとうんちく

 

 

ダイハツ オート3輪最終型  登録車CO/CM型
ダイハツは、マツダとともにオート三輪と呼ばれる3輪トラック業界をけん引し、ブームを築いた。
形式名のCM8(1500ccエンジン、8尺・2.4m)はエンジンと荷台に対応した名前となっている。
今ではない3輪トラックの前輪は倒立式ダンパーになっており、フロントフォークの見た目はまるでオートバイのよう。
前輪がパンクした時の修理はメンテナンス性の悪さゆえに大事であったらしい。
マツダよりも一足先に製造終了したので残存数はかなり少ない。

 

 


 

無類の高出力と小回わり!
最強の力と粘り、酷使に耐える耐久力、胸のすく機動力、快適なスタイルと乗り心地など、ダイハツ3輪トラックCO型は群を抜く性能とかずかずの画期的な機構をそなえています。
■3輪(2トン車)最強の水冷4直85馬力エンジン
■このクラス最小の小回わり、切れのよいハンドル
■明るくゆったりした全鋼製のキャビン
■シャープな制動の前輪ブレーキ・後輪複動2リーディングブレーキ
■シンクロメッシュ式トランスミッションと操作の楽なハンドルチェンジ
■前・後輪オイルダンパーの柔らかなクッション
■アイビーブルーの洗練されたボディカラーと力動感にあふれたスタイル
(当時のカタログより)

 


 

 

ボディサイズは全長4,475mm×全幅1,700mm×全高1,890mm×ホイールベース2,970mm。最大積載量1,500kg。
エンジンは水冷直列4気筒頭上弁式で排気量1,490cc、最高出力68PS/4,800rpm・最大トルク11,5kg・m/3,600rpm。
タンク容量はガソリン40ℓ、オイル4ℓ。
トランスミッションはコラムシフト4速MT。
デビュー当時の販売価格は49万5,000円。

 

なお、すぐ近くの石材屋さんにマツダオート三輪も見かけましたよ。

 

 

 

 

※懐かしい廃車たち(出来るだけ天然モノ)を小学生撮影隊と一緒にのんびりと探索・撮影・紹介している趣味コンテンツです。
※内容については正確な情報とは限りませんのでご了承ください。
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