草むらのヒーローたち No.012

人生いろいろ、車生もいろいろ。

備後の道路脇で見つけた 朽ちゆく車たち。

凹み、錆び、コケ、ヒビ割れていても美しい 古き時代の宝物。

どんなドラマがあったのだろう…。

誰が呼んだか、草むらのヒーローたちを 小学5年M.Kくんが撮りました。

 

 

 

第12回


草ヒロ(廃車)data ■メーカー:スバル ■車種:サンバー・ライトバンDX(初期型) ■年代:1966年〜1973年 ■場所:井原市高屋町


井原市高屋町、明治期から残る金鉱山跡近くの農道に乗りつけたまま草ヒロ化している彼がいました。
赤帽サンバーの大先輩に当たる2代目“ニューサンバー”君です。
スーサイドドア・三角窓・左側のみのリアドアの特徴から、初期型なのが分かります。
リアエンジン・4輪独立懸架サスレイアウトで、農道のポルシェと呼ばれていたよね。
それにしてもちっちゃいねぇ〜。改めて見ると君の小柄さには驚かされます。
どうしてこの場所にいるのか…身動きひとつせず、風雪に耐えてきたんだね。
草ヒロのお手本としてこれからもひっそりと佇んでいてほしいです。

 

ちょっとうんちく

スバリスト、スバラーたちには寂しいかな、2012年2月をもってスバル・サンバーは生産終了(その後OEM)となりました。
スバルの稼ぎ頭として51年、ずっとスバルの屋台骨を支えてきたサンバー。残念でなりません。
“ニューサンバー”の愛称で呼ばれた2代目サンバーは1966年に登場。
リアエンジン、4輪独立懸架サスというポルシェと同じレイアウトは強烈な個性を放ち、サンバーのアイデンティティとして半世紀以上にわたって愛され続けてきた大きな理由だと言っても過言ではないでしょう。
リアエンジンのため空荷でもリアの駆動輪にトラクションがかかり、農道でもしっかり走ることができるため、農道のポルシェと呼ばれていました。
フォルクスワーゲンタイプⅡにそっくりなフレンドリーで愛らしいスタイリングで、誰からも愛されました。
前期型のスーサイドドアや三角窓は懐かしい設計ですね。

ボディはトラックとライトバンの2タイプ。
サイズは全長2,995mm×全幅1,295mm×全高1,545mm×ホイールベース1,670mmで初代モデルから全長が5mm、全高が25mm、ホイールベースは80mm拡大されました。
車両重量はトラック445kg、ライトバン525kg。
4輪独立懸架サスペンションは、フロントがトレーリングアーム式、リアがスイングアクスル式。
ブレーキは4輪ともドラム式。
車体後部にマウントされるエンジンは、先代後期型同様の強制空冷式2ストローク360cc直列2気筒のEK32型を積み、最高出力20ps/5000rpm、最大トルク3.2kgm/3000rpmで、最高速度85km/h(トラック)・80km/h(ライトバン)。トランスミッションは3速MTでした。

1970年2月のマイナーチェンジで通称“ババーンサンバー”となり、スーサイドドアやフェイスリフト、三角窓の廃止、インパネ刷新が実施されました。
次いで1972年2月のマイナーチェジで通称“すとろんぐサンバー”に移行。大型ダミーグリルの採用や、サスペンションの強化が図られました。そして1973年2月にフルモデルチェンジ、3代目モデルに移行しました。

 

※懐かしい廃車たち(出来るだけ天然モノ)を小学生撮影隊と一緒にのんびりと探索・撮影・紹介している趣味コンテンツです。
※内容については正確な情報とは限りませんのでご了承ください。
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