人生いろいろ、車生もいろいろ。
備後の道路脇で見つけた 朽ちゆく車たち。
凹み、錆び、コケ、ヒビ割れていても美しい 古き時代の宝物。
どんなドラマがあったのだろう…。
誰が呼んだか、草むらのヒーローたちを 小学6年M.Kくんが撮りました。
第86回
草ヒロ(廃車)data ■メーカー:スバル ■車種:3代目サンバーライトバン(K88型パートタイム4WD5ドアハイルーフ・マルチフラット) ■年代:1973年〜1982年 ■場所:井原市南部
息子:パパ、見て見て!ライオンみたいなんがおるで!
井原市南部、前回のキャリイバンくんのすぐ近くにまるでライオンのようにマイティブラウンメタリックの彼がこっちを向いてデンッと構えていました。
その凛とした姿はまさにサバンナの王者、ライオン。
息子が言うのもなるほど、言い得て妙。
・タテガミよろしく、ハイルーフ!(軽バン初、背高ノッポのコマーシャルカー)
・百獣の王らしく、行動豪快4WD!(軽バン初、力強いパートタイム4WD)
・度量の大きいマルチフラット!(完全フラットで広々、クラス最大のキャパシティ)
・キビキビ&タフな550ccエンジン!(EK23型水冷4サイクル2気筒)
などなど、至る所で堅牢感を強調している。いかにもライオンのように。
軽の規格改定で排気量やボディ寸法など、次々と変更される中、3代目となる彼も生産されていた9年間で図体も心臓も一回りも二回りも大きくなり、厳しい弱肉強食の世界を生き抜いてきました。
現在は悲しいかな、ハイゼットのOEMとして生存しています。
派手なストライプや4WDのでかロゴデカール、マルチフラットのステッカーなどで無骨すぎるほどに装備をまわりのヤツらにアピールする彼。
色褪せ、サビ具合もほどほどで、まだまだ哀愁なんてものは漂っていません。
私:サンバーってほんとはライオンの天敵の水鹿(東南アジアに生息する大型の鹿)のことなんよ。
でもこいつはどう見てもライオンよなぁ。パパもそう思うわ。
ついでに言うとくけど、スバルって「枕草子」にも登場するおうし座にある星のことで、別名六連星(むつらぼし)っていうんで。スバルのマークはよう見たら6つの星になっとるじゃろ?
息子:えー!すげぇ!ほーなんじゃ!
私:も1つついでに言うとくけど、3代目サンバーの特徴といえば、赤帽専用モデルが設定されたことや、プラモデル化(アオシマの定番「ザ★モデルカー」シリーズ)されて50年前のモデルなのに今でも買えることなんよ。凄かろうが。
ほかにも彼の四方山話はたくさんあるけれど、時間が来たのでこれにておしまい!
ちょっとうんちく
スバルオンラインミュージアムより
3代目サンバーは軽規格の変更によるエンジン・ボディの
サイズアップなどを経ながら1982年まで生産されました。
本モデルはサンバー ライトバンシリーズで初めて追加されたハイルーフ仕様です。
全高を215mm高めて低床状態で1435mmの荷室高を実現し、
「小型車のハイルーフと肩を並べる高さ」とクラスを超えた空間をアピール。
また、折りたたみ式フロアを採用したマルチフラットは、
完全にフラットなスペースとして荷室を使い分けることもできました。
赤帽サンバー
全国赤帽軽自動車運送共同組合連合会、
通称「赤帽」の専用モデルとして設定されたのが赤帽サンバーです。
業務用ならではの過酷な使用条件に対する
様々な要望が赤帽から寄せられ、それに応える形で開発。
耐久性を向上させた専用エンジンや使い勝手に配慮した専用の装備を多く採用しました。
改造車ではなく国土交通省の型式指定認可を受けた車両で、
現在のサンバーにも設定されています。
本モデルは3代目サンバートラックの赤帽モデルです。
※懐かしい廃車たち(出来るだけ天然モノ)を小学生撮影隊と一緒にのんびりと探索・撮影・紹介している趣味コンテンツです。
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※草むらのヒーローとは、旧車専門誌「ノスタルジックヒーロー」の人気読者投稿コーナーに由来する名前で、通称「草ヒロ」と呼ばれています。クルマ好きの間では草むらや空き地、山の中で放置され、ひっそりと朽ちゆく、もう動かないクルマたち(草ヒロ)を眺め、往年の活躍に思いを馳せ、情緒を感じる文化のようなものになっています。
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