人生いろいろ、車生もいろいろ。
備後の道路脇で見つけた 朽ちゆく車たち。
凹み、錆び、コケ、ヒビ割れていても美しい 古き時代の宝物。
どんなドラマがあったのだろう…。
誰が呼んだか、草むらのヒーローたちを 小学6年M.Kくんが撮りました。
第59回
草ヒロ(廃車)data ■メーカー:ホンダ ■車種:ライフ 初代スーパーデラックス(SA型4ドア4速MT) ■年代:1971年〜1974年 ■場所:井原市北部
西日本有数のブドウの産地「グレープ愛ランド」と呼ばれる井原市北部の高原集落。
瀬戸内海の大パノラマと大波の如く一面にうねり広がるビニールハウス群が車窓にずっと続く、まるで天空の道。
なだらかな斜面に広がるきらきら輝くブドウ畑の畔にちょこんと座る、ちっちゃく丸っこいサブロクの彼を発見。
もう何十年も置かれっぱなしのようで、どうやら物置としてのお役目も終えている模様。
ホンダ軽初となる自慢の4ドアの後ドアから車内を覗くと、植物が繁殖し葉にまみれ、まるでビニールハウスのよう。
プラチナシルバーのボディは経年劣化でこんがりと焼け、ステキな錆色になっているものの、Nコロから受け継いだFRP製のトランクフードだけは風化せずピカピカで異彩を放ち、THE違和感といったかんじ。
体はデカイが、弟分のシビックが大ヒットしたがために4年にも満たない短い現役ライフから身を引いたキミ。
その何倍もの期間、ここで雨風に耐え撤去をも免れて頑張ってきたキミの健気な姿には涙を禁じ得ないものがあります。
令和の世でも遺るのは意味があるから…。
ひとり寂しくても物置人生(ライフ)と向き合うキミに負けずに僕らも元気に無理なく草ヒロライフを楽しむからね。
また会おうね。
ちょっとうんちく
本田技研工業 1971年5月11日 ニュースリリースより
HONDA Life 新発売
当社がこのたび発売する、新しい軽4輪乗用車―〈HONDA Life〉は、広い生活空間 を持ったまろやかなフィーリングファミリーカーとして開発いたしました。
このクルマは、新設計のバランサー付4サイクル水冷エンジンを採用し、低鉛ガソリン対策を 適用した最初のものです。
Lifeシリーズ27機種の発売により、当社の軽4輪乗用車はNIII,Z,Lifeの3シリーズ54機種というワイドバリエーションになりお客様の好みに応じた選択の幅がさらに拡がりました。
発売日
昭和46年6月1日(但し、オートマチックは7月20日予定)
初代 SA/WA/VA型(1971年 – 1974年)
エンジンとトランスミッションを直列に横置きした、いわゆるジアコーザ式レイアウトを採用し、エンジンもN360と同様の直列2気筒ながら、空冷から水冷EA型へと変更されたことで、油臭や暖房能力の不足も解消され、快適性が大幅に向上した。翌年に発表されたシビックとの共通点も多く、その後のホンダ製乗用車の基礎が確立された時期のモデルでもある。また、ライフは日本で最初にエンジンにタイミングベルトを採用した自動車でもある。
販売期間が4年未満と短いが、初代シビックの世界的なヒットにより乗用車工場をシビックの生産に傾注させるため、ライフの生産を打ち切る決断がなされたためであった。これには軽自動車への車検の義務化や保安基準が新しくなったことにより、小型乗用車との価格差が縮まり価格的なメリットが薄れ、軽乗用車市場が縮小していたという側面もあった。シビックの最廉価グレードが40万円前半であったのに対し、ライフは最終的には最も安いグレードでさえ35万円を超えるようになっていた。これに加え生産面についても製造原価が両者はほとんど同じであったことが、製造中止の引き金になったという。
4サイクル直列2気筒エンジンに一次振動を消すバランサーシャフトという組み合わせは、中村良夫が東急くろがね工業時代に特許を取ったものであり、ライフ発売後、他社からも同様のエンジンを搭載した軽乗用車が販売された。
年表
●1971年(昭和46年)
・ 6月1日-NIII 360の後継車として登場。新設計の直列2気筒エンジンを搭載し、それまでのホンダの軽自動車と比べ、ファミリーカーとして快適性を向上させていた。また、ホンダ軽自動車初の4ドアの採用でもあった。
・ 9月6日- ライトバンモデルを追加。
・10月25日 – 3ドアハッチバックタイプの「ワゴン」を追加。
●1972年(昭和47年)
・ 5月1日- ツインキャブ仕様エンジンを搭載した「ツーリング」を追加。
・ 9月20日- ライフステップバンを発売し、現在の軽トールワゴンと同様のパッケージングを具現化した。1973年
● 1973年(昭和48年)
・ 8月21日 – ライフピックアップを発売した。
●1974年(昭和49年)
・ 10月 前述の理由からZ、ライフステップバン、ライフピックアップとともに製造・販売を終了(ただし、新車販売の届出〈登録〉は同年12月までに終了)。これにより、1988年(昭和63年)3月のトゥデイ(3ドアセダン)の発売までの13年5か月間、ホンダは軽乗用車の販売を一旦休止する。その後、ホンダの小型乗用車レンジは、しばらくの間シビックが担っていたが、シビック自体がモデルチェンジの度に大型化していたこと、地方ディーラーからのラインナップ拡充の要望、さらに軽乗用車事業からの撤退に至り、この3つの理由から1981年(昭和56年)にをシティを発売し、空前の大ヒットとなる。販売終了前月までの新車登録台数は累計35万8020台。
wikipediaより抜粋
当時パンフレット キャッチコピー
●ご家族の新しい生活空間 広い〈LIFE〉
いままでの軽乗用車に見られる、前席中心の室内設計ではなく、後席にまでも十分な席をLIFEは確保しました。
新しくコンパクトなエンジンを設計。
ホイールベースもできるだけ長くとりました。
そうして、室内長1,660mmという、一部の小型車をしのぐ、驚くべき広さを作りだしています。
FF(前輪駆動)方式ですから、プロペラシャフトやデフ、ギアボックスがなく、床面はフラット。そのうえ、後席の足元フロアをくぼませ、ゆとりをもたせ、前席シート下につま先が入れられるなど、後席も前席と同じように、ゆったり足が伸ばせるすぐれた空間の工夫がなされています。
後席にすばらしい生活が展開する広さ。
新しい、ご家族のための生活空間です。
●4ドア〈LIFE〉は5タイプ
4ドア〈LIFE〉には、スタンダード、デラックス、スーパーデラックス、カスタムの4タイプに加え、ヒーター付スタンダードを入れバリエーションは5タイプそろっています。
スペック
グレード 4ドアデラックス
車両型式 SA型
全長(mm) 2995
全幅(mm)1295
全高(mm) 1340
ホイールベース(mm) 2080
最低地上高(mm) 165
車両重量(kg) 510
定員(人)4
室内長(mm)1660
室内幅(mm)1120
室内高(mm)1130
エンジン種類 水冷並列2気筒OHC
駆動方式 前輪駆動
排気量(cm3) 356
圧縮比 8.8
最高出力kW(PS)/r.p.m. -/30/8000
最大トルク (kgm/rpm) 2.9/6000
燃料消費率(l)28(60km/h)
登坂能力(tanθ)0.31
最小回転半径(m)4.4
制動距離(m)13.0(50km/h)
燃料タンク容量(l)26
ブレーキ 前後 油圧リーディングトレーリング
懸架方式 前マクファーソン式 後半楕円板バネ式
タイヤサイズ 5.20-10-4PR
※懐かしい廃車たち(出来るだけ天然モノ)を小学生撮影隊と一緒にのんびりと探索・撮影・紹介している趣味コンテンツです。
※内容については正確な情報とは限りませんのでご了承ください。
※撮影場所については、部品取りやいたずら防止のため一切シークレットです。
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