草むらのヒーローたち No.054

人生いろいろ、車生もいろいろ。

備後の道路脇で見つけた 朽ちゆく車たち。

凹み、錆び、コケ、ヒビ割れていても美しい 古き時代の宝物。

どんなドラマがあったのだろう…。

誰が呼んだか、草むらのヒーローたちを 小学5年M.Kくんが撮りました。

 

 

 

第54回


草ヒロ(廃車)data ■メーカー:トヨタ ■車種:1300/スターレット XLリセ5ドア(KP61型) ■年代:1978年〜1984年 ■場所:井原市北部


晴れの国の高原集落、井笠バスBA20(第47回)のご近所さん。
使われなくなった果樹園の奥の方に彼はいました。
ひっそりと隠れるようにして佇むのは、現在のヴィッツ、もといヤリスのご先祖様であらせられるケーピーロクイチくん。
峠ではハチロクくんとともにFR駆動の楽しさで大人気だったよね。
当時世界的にポピュラーになり始めたハッチバックスタイルも垢抜けててオシャレ。
その上40年以上前のターボやパワー重視の時代に、早くもアイドリングストップ機構「エコシステム」を採用していたなんて!
今よりも当時の方が時代のニーズを読んだ先進的モデルだったのでは…。
もしかしてだけどー、もしかしてだけどー、みんなの想像のかなり斜め上をいってたんじゃないのー♪
あっぱれ、トヨタ。
日本独自の歴史や文化、技術などをうまく組み合わせて、改めて“楽しい・個性的・先進的”な車づくりをしていけば、車離れもなくなり、ニッポンの競争力を強めていく余地はまだまだ十分にあろうかと…。
時がたち、スターレットという名が忘れ去られようとしているのは本当に残念で、若干センチメンタルな気持ちになりました。
帰り道、振り返ると彼のウィンドウガラスが車名のごとく一瞬反射して煌めいたのでした。

ちょっとうんちく


車名の由来は英語で「小さな星」という意味。

1978年2月、それまでの「パブリカ」と「パブリカ スターレット」の2車種を統合して、「スターレット」として独立させた。

この2代目「スターレット」は名実ともにトヨタの底辺を受け持つ小型大衆車となった。この時期、2ボックス・ハッチバックが世界標準の小型車像であったが、「スターレット」もこれにならい、3/5ドアの2ボックスハッチバック車に変身。ただし駆動方式はこのクラスの潮流である前輪駆動(FF)ではなく、後輪駆動(FR)を継続した。エンジンは「53年(1978年)規制」に適合させた4K-U型の1290ccで、ギヤボックスは4MT・5MT・2AT。サスペンションはフロントが先代と同じマクファーソンストラット/コイル、リヤはリジッドながらリーフから4リンク/コイルに変わり、全車に前輪ディスクブレーキを採用した。操作感覚に優れたラック・アンド・ピニオン式ステアリングをトヨタのセダン系乗用車として初めて採用。信頼性が高く、燃費が優れた経済車として人気を博す一方で、軽量ボデーと優れたシャシーバランスの組合せがもたらす活発な走りで“ボーイズレーサー”としての支持も集めた。

1978年10月、バン(4ドアのみ)を追加。1981年8月、アイドリング時にエンジンを停止する“エコランシステム”を一部車種に採用した。

※トヨタ自動車75年史より抜粋


 

スペック
グレード XLリセ5ドア
車両型式 E-KP61-PHKNS(J)
重量(kg) 755
全長(mm) 3855
全幅(mm)1530
全高(mm) 1375
ホイールベース(mm) 2300
エンジン型式 4K-U(Ⅱ)
エンジン種類 水冷直列4気筒OHV
10モード 18.5km/l
排気量(cm3) 1290
最高出力kW(PS)/r.p.m. -/74/5600
最大トルク (kgm/rpm) 10.7/3600
※エンジン最高出力はネット値です。表内では「 / / 」で表示しています。

 

※懐かしい廃車たち(出来るだけ天然モノ)を小学生撮影隊と一緒にのんびりと探索・撮影・紹介している趣味コンテンツです。
※内容については正確な情報とは限りませんのでご了承ください。
※撮影場所については、部品取りやいたずら防止のため一切シークレットです。
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