草むらのヒーローたち No.035

人生いろいろ、車生もいろいろ。

備後の道路脇で見つけた 朽ちゆく車たち。

凹み、錆び、コケ、ヒビ割れていても美しい 古き時代の宝物。

どんなドラマがあったのだろう…。

誰が呼んだか、草むらのヒーローたちを 小学5年M.Kくんが撮りました。

 

 

 

第35回


草ヒロ(廃車)data ■メーカー:ホンダ ■車種:TN-7 パネルバン・スタンダード(郵便車) ■年代:1975年〜1977年 ■場所:井原市北部


晩秋の井原市北部、落ち葉の絨毯が広がるくねくね道の終点。
草ヒロの雰囲気漂う場所だなと思っていたその瞬間、四つ目でまっ赤な彼が目に飛び込んできました。
嗚呼!まさかの君に会えるとは!!
戦慄が走ったのは久々です。
一度見たら忘れられないユニークな顔つき。
こんな軽トラが日本にあったなんて…。
何かホッと心の和む彼なのでした。
いや〜、ほんとに元気で何よりです。
四つ目の君が毎日郵便物を届けてくれていたなんて…。
考えただけでワクワクしますよね。
眠り続けてかれこれ40年。
忘却の彼方に忘られつつあるTN360シリーズの君。
土に還るまで、草ヒロのまま長生きしてね。

こないだ会った同期のハイゼット君も元気だったよ。

 

ちょっとうんちく

日本の軽自動車として最後の空冷エンジンを積み、軽トラ初の「昭和50年排ガス規制」に適合した車種といえば ”Honda TN-7”。TNシリーズの晩年モデルで、1977年に後継機種のTN-Actyが発売されたことにより製造が終了。
軽トラックで初の4灯ヘッドライトを採用したTN-Vの後継モデル。四つ目の顔が親しみある軽トラです。人気の三角窓はTN-7では不採用でした。

当時の軽トラックはうるさく白い排気ガスを吐く2ストが主流でしたが、TN-7は4ストエンジンを採用していることもあり静かでクリーンでした。

TNという名はホンダ創業者・本田宗一郎氏が「Truck Norimono」という意味で付けたというのは耳タコな話。

トミカ リミテッド ヴィンテージNeoではTN-Ⅴが製品化され、郵便車も登場しています。

 

以下、ホンダ公式ニュースリリース(TN-V)より


1972年06月15日ニュースリリース
軽4輪トラック HONDA TN-V新発売

当社は、すぐれた機動性で好評の軽4輪トラック 〈TN-III〉を内外装とも一新、〈TN-V〉として新発売いたします。
今回のモデルチェンジで〈TN〉は、さらに機能美にあふれたスタイルとなり、安全性も一段 と向上いたしました。

主な改良点
◇安全性の高い、軽トラック初の4灯式ヘッドライト
◇新鮮さと迫力を強調したフロントグリルのデザイン
◇シートベルトを助手席にも装備

発売日
6月15日

価格
(単位:千円)
スタンダード
331
341
デラックス
346
356
(東京都店頭渡し標準現金価格)

生産計画
月産 8000台

主な特徴
新鮮さと機能美を強調したスタイル
・軽トラック初の4灯式ヘッドライトの装備…すれ違い時は50W2個、走行時は37.5W4個のヘッドライトで照度は十分。車輛に近い部分の照射範囲もひろがりました。
・迫力のあるフロントビュー…大きく張り出したフロントマスク。4灯式のヘッドライト。新しいトップエンブレム。機能美の調和から生まれた迫力のあるイメージです。
安全性と扱い易さを配慮した室内
・助手席にも2点式のシートベルトを装備
・広く、余裕のあるキャビン…広く静かで、エッジ部分を感じさせない室内は、ゆったりした運転姿勢がとれます。
・見易いメーター類…角型で、表示板も見易さ第一のデザインです。
低鉛ガソリン対策をほどこしたエンジン実現
低鉛ガソリンで、十分に耐えられるよう、バルブシートとバルブガイドに特殊合金を採用しました。


 

 

 

 

※懐かしい廃車たち(出来るだけ天然モノ)を小学生撮影隊と一緒にのんびりと探索・撮影・紹介している趣味コンテンツです。
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