草むらのヒーローたち No.028

人生いろいろ、車生もいろいろ。

備後の道路脇で見つけた 朽ちゆく車たち。

凹み、錆び、コケ、ヒビ割れていても美しい 古き時代の宝物。

どんなドラマがあったのだろう…。

誰が呼んだか、草むらのヒーローたちを 小学5年M.Kくんが撮りました。

 

 

 

第28回


草ヒロ(廃車)data ■メーカー:スズキ ■車種:アルト(初代) ■年代:1979年〜1984年 ■場所:矢掛町


矢掛町の道の駅すぐ近く。随分と前から気になっていたもののなかなか会いに行けなかった彼女。
のどかな田園風景の広がる桜並木の土手下にひっそりと身を寄せていました。
思わず「あ!47万円!」と言ってしまったほど、今でもその知名度は絶大。
軽ボンバン界のアイドルは、若干珍しいフランソワホワイトのボディカラーに角型ヘッドライト顔で、前期型の愛らしい印象から、ちょっとすました大人顔に変身していました。
小さいころはあれだけ走っていた彼女も、今では絶滅危惧種。廃車体でさえも会うことは難しいにも関わらず、3度目の出会いに、偶然、奇跡? いや運命を感じています。
これから先も撤去されることなく、ピカピカの物置に置き換えられることもなく、残っていてくれと祈るばかりです。

※赤アルトはNo.010、銀アルトはNo.021をご覧ください。

 

ちょっとうんちく


1970年代のなかば、軽自動車と小型車の価格差縮小や、軽自動車の車検制度導入などによって軽自動車は競争力を失っていた。一方で女性ドライバーが急増していた。
そこで当社は女性ドライバーに狙いを絞り、「暮らしに役立ち、優れた経済性をもつ車」、「物品税のかからない商用車規格でありながら、乗用車スタイルの車」の開発に着手した。45万円以下を目標価格とし、徹底した工程の合理化や部品点数の削減、ワングレード化などを進めた。
こうして1979年5月、自動車業界初の全国統一車両本体価格と、47万円という低価格でアルトを発売した。上級小型車の縮小版とは異なる価値観を表現したアルトは大ヒットした。
アルトの発売後、他社も軽ボンネットバン市場に参入し、女性ユーザーを中心に市場が急拡大したため、1970年以降に下降傾向だった軽自動車の販売台数がV字回復した。
1989年には消費税導入と物品税廃止によって軽ボンネットバンの価格優位性が薄れたため、ラインアップを軽商用車から軽乗用車に拡大した。その後も時代のニーズに即したモデルチェンジを続けた。
車名のアルトはイタリア語で、才能などが「秀でた」を意味する。

快適・機敏・安全に走るという車本来の機能を追求した軽ボンネットバン。機能優先のシンプルなスタイルで、直線的な安定感のある2BOXスタイルを採用。FF方式により、ゆとりある室内スペースと大きなリヤラッゲージスペースを確保した。当時は4ナンバーの商用バン規格は物品税がかからなかった。そのため徹底的なコストダウンと合わせて当時として画期的な全国統一価格47万円という価格を実現したところ大ヒット商品となった。エンジンは当初2サイクル3気筒550cc。1980年には2速のフルオートマチック車を、1981年10月には4サイクル3気筒550ccエンジンを追加した。(SUZUKI DIGITAL LIBRARY 引用)


 

今回のアルトは1982年10月、マイナーチェンジ後の4ストモデル。当時、ボンバンには贅沢だったであろう角型ヘッドランプに変更される。Lタイプ・Gタイプを上級グレードとして追加設定。Gタイプはメーカーオプションで珍しいデジタル式スピードメーターの装着設定があった。2ストロークエンジン搭載車は後期型になり廃止となった。

※銀アルト(2スト・4MT仕様)はNo.021を、赤アルト(4スト・2AT仕様)はNo.010をご覧ください。

 

 

 

 

※懐かしい廃車たち(出来るだけ天然モノ)を小学生撮影隊と一緒にのんびりと探索・撮影・紹介している趣味コンテンツです。
※内容については正確な情報とは限りませんのでご了承ください。
※撮影場所については、部品取りやいたずら防止のため一切シークレットです。
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