草むらのヒーローたち No.013

人生いろいろ、車生もいろいろ。

備後の道路脇で見つけた 朽ちゆく車たち。

凹み、錆び、コケ、ヒビ割れていても美しい 古き時代の宝物。

どんなドラマがあったのだろう…。

誰が呼んだか、草むらのヒーローたちを 小学5年M.Kくんが撮りました。

 

 

 

第13回


草ヒロ(廃車)data ■メーカー:スバル ■車種:スバル360(K111/212型) ■年代:1958年〜1970年 ■場所:井原市南部


井原市南部、幹線道路沿いの空き地にポツンと一軽car。
まさに草まみれ…。夏草真っ盛り、全身をすっぽり覆われて身を隠す車を発見。
キュートなお顔とキュッとしたお尻の美しいシルエット。
♪どんなに じょうずに かくれても かわいい お尻が みえてるよ
だんだんだ〜れが めっかった〜♪
そのかわいい姿、君は紛れもなくスバル360だよね。
てんとう虫と呼ばれ“日本のフォルクスワーゲン”の異名を持つキミ。
子どもの頃かくれんぼをする時、近所にキミがいれば楽しかったのに…。
じゃあ、達者でね。

 

 

ちょっとうんちく


SUBARU オンラインミュージアムより

1958年5月
SUBARU 360発売
『国民車誕生』
日本では自動車がまだ手に届かない憧れだった時代の1958年。国民車構想を実現した初めてのクルマとして誕生しました。乗る人のことを最優先に考えて、軽四輪という枠のなかで小型車なみの乗り心地と性能を実現するために、ゼロから発想して最適なパッケージングと徹底した軽量化に挑戦。フレームレス・モノコック構造、強化プラスチック素材の採用など、航空機メーカーのDNAを感じさせる独自の取り組みによって不可能だと言われていた国民車の実現に大きく貢献しました。その独特の形状のためにテントウムシと呼ばれ、SUBARU 360は1970年5月の生産終了まで、10年以上にわたり絶大な人気を博しました。

スバル360シリーズは12年という長いモデルライフの中で様々なモデルが設定されました。
この「デラックス」は、
高度経済成長の波に乗って高級志向を強める時代のニーズに対応するために、
1962年に追加された上級グレードです。
メッキモールなどの専用パーツを採用した外装や、
ツートーン仕様のシート表皮とした内装などで通常モデルよりも上級な印象に。
当時のカタログでも「グンとスマートにお化粧をほどこした」モデルとして紹介していました。


スバル 360は、丸みを帯びたボディから「てんとう虫」と呼ばれています。中でもボンネットにスリットがない初期型は非常に希少で「デメキン」とも呼ばれ、マニアからの人気も絶大です。(分かりやすい年式の特定方法として ・ボンネットのスリット9本が11本に変更されるのが1966年9月 ・フロントバンパーが左右に2分割されて2バンバーだったのが1959年まで ・パーキングランプとリフレクターが新設され、マフラーの出口が右側から左側に変わったのが1961年 ・スタンダードとデラックスにグレード分けされた1962年)
かわいいネーミングとは裏腹に、当時最新の航空機技術を応用し超軽量構造を採用。廉価でも十分な実用性を持ち、当時モータリゼーション推進の一翼を担った車です。
1958年、日本初の国民車(大衆車)としてデビューし、12年間にわたり販売されました。
2016年には歴史的な機械技術の発展に貢献したとして機械遺産に認定。

ボディサイズは全長2,995mm×全幅1,295mm×全高1,335mm×ホイールベース1,800mm。重量385kg。当時の軽自動車規格ギリギリで設計していました。
モノコックボディを取り入れた斬新な設計で、駆動方式はスバルのアイデンティティであるリアエンジン・リアドライブレイアウトの2WDを用いた車となっています。
エンジンは「EK31」2ストロークエンジンで排気量356cc、最高出力16PS・最大トルク3.0kg・m。最高速度は約80km/h。
トランスミッションはフロアシフト3速マニュアル。
サスペンションは4輪独立で、フロントはトレーリングアーム/トーションバー+コイル、リアはスイングアクスル/コイル。
デビュー当時の販売価格は42.5万円。

1969年8月に後継者R-2が登場し、販売打ち切りとなった。
360のネーミングは一代限りで12年間モデルチェンジしなかった。
生産終了後も根強いファンも少なくなく、人気・知名度ともに高い。
スバル360が初の自家用車だった中高年層が多かったのも特徴で、生産終了後半世紀以上経過しているにもかかわらず、今でもたまに街中を走る姿を目にすることができます。

 

 

※懐かしい廃車たち(出来るだけ天然モノ)を小学生撮影隊と一緒にのんびりと探索・撮影・紹介している趣味コンテンツです。
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