人生いろいろ、車生もいろいろ。
備後の道路脇で見つけた 朽ちゆく車たち。
凹み、錆び、コケ、ヒビ割れていても美しい 古き時代の宝物。
どんなドラマがあったのだろう…。
誰が呼んだか、草むらのヒーローたちを 小学5年M.Kくんが撮りました。
第11回
草ヒロ(廃車)data ■メーカー:三菱自動車 ■車種:ギャランΣ(3代目)1600GL ■年代:1976年〜1980年 ■場所:笠岡市
笠岡市の山あい、小学校近くの県道沿いの斜面に広がるぶどう畑から、子供たちをこっそり見守っている彼がいました。
交通量の多い幹線道路脇で肉眼ではっきりと目につくにもかかわらず、今までよくもまあ気付かなかったものだなぁ。我ながら感心…。
Σ(シグマ)、Λ(ラムダ)という紳士風なサブネームを持つおしゃれさん。
米国テイストぷんぷんの垢抜けたフォルムに、うんと贅沢な内装が評価されギャラン史上一番人気があったんだよね。
彼が30年近くにわたり見つめてきた小学生たちも、いまや大人。
この先もずっと土に還るまで通学路を見守り続けてくれることでしょう。
ちょっとうんちく
ギャランΣの初代は1969年にコルトギャランという名前で発売。
1973年からの2代目はギャランとなり、1976年、3代目が発売され、ギャランにΣ(シグマ)とΛ(ラムダ)のサブネームが付きました。
Σはセダン、Λは2ドアクーペで中級クラスだった従来のギャランから居住性・経済性・静寂性やスタイルなど全ての面でハイグレード化し、ハイソカーの先駆けとも言えるモデルとなりました。
1978年には別チャネルのカープラザ向けに姉妹車「エテルナΣ」も販売。
1970年に三菱重工業から分離独立した三菱自動車は、1971年〜93年まで、米クライスラーとの資本提携をしており、この3代目ギャランもキャデラック風な味付けの内装や垢抜けたスタイリングなど、米国テイストが色濃くなりました。
メーターナセルの左右幅を大きく広げて、その内側に円形メーターを横一列に並べる手法など、まさにアメリカン。
たちまち日本で大ヒットとなり、歴代ギャランで最も販売台数が多いモデルとなりました。
三菱の「M」を模したエンブレムが登場したのはこの3代目から。
サターン80エンジンを搭載、1.6L直4SOHC(4G32型)シングルキャブ仕様で最高出力92ps。駆動方式はFR。10モード燃費9.5km/L。3速トルコン式AT。
ボディは全長4330mm×全幅1670mm×全高1360mm、ホイールベースは2515mm、サスペンション形式はフロント:マクファーソンストラット式、リア:リジット・リーフ式を採用。価格106万3000円。
撮影させていただいたおばあちゃんによると、若かりしころ毎月必ず夫婦でこのギャランと旅を共にしたそう。
主に山陰方面でナビなどない当時、地図をコンパスで距離を測りながら旅をしていたそうです。
※懐かしい廃車たち(出来るだけ天然モノ)を小学生撮影隊と一緒にのんびりと探索・撮影・紹介している趣味コンテンツです。
※内容については正確な情報とは限りませんのでご了承ください。
※撮影場所については、部品取りやいたずら防止のため一切シークレットです。
※掲載後の情報提供や現存確認は一切しておりません。
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