草むらのヒーローたち No.010

人生いろいろ、車生もいろいろ。

備後の道路脇で見つけた 朽ちゆく車たち。

凹み、錆び、コケ、ヒビ割れていても美しい 古き時代の宝物。

どんなドラマがあったのだろう…。

誰が呼んだか、草むらのヒーローたちを 小学5年M.Kくんが撮りました。

 

 

 

第10回


草ヒロ(廃車)data ■メーカー:スズキ ■車種:アルト(初代) ■年代:1979年〜1984年 ■場所:井原市高屋町


井原市高屋町北部の集落へと続く農道脇に、赤色の彼女が顔を覗かせていました。
赤は赤でもこの朱色のような“アップルレッド”といえばやっぱり彼女(初代アルト)だよね…。
木漏れ日を浴びてなんともステキに映えていました。
どうやら今は畑のささやかな物置として活躍しているご様子。
軽ボンバンのパイオニアとして何もかも破格で登場し、瞬く間に一大ムーブメントを巻き起こした国民的ヒロイン。
「アルト 47万円」のキャッチコピーは大ウケだったよね。
現在9代目となる最新型も新世代の軽のスタンダードとしてブレることなく頑張っているからね。
いつまでも“あると便利な車”として乗り続けられるといいね。

※銀アルトはNo.021をご覧ください。

 

 

ちょっとうんちく

1979年、軽乗用車フロンテのフルモデルチェンジと同時にデビューした姉妹車アルト(別名スズキ・フロンテ5代目)。
新ジャンルの軽ボンネットバンとして登場し、今までに8度のフルモデルテェンジを経て9代目になり、現在でもアルトの名前で乗り続けられています。
今や新車市場において約5割近くを占める軽自動車ですが、アルトなくして今の軽自動車はないと言っても過言ではないでしょう。

アルトのスゴすぎる功績はまず4ナンバーの商用車仕様だったこと。
当時の乗用車の物品税は車両価格の15.5%。ところが商用車であれば0%という税制の裏をついてボンネットバンとして47万円という超破格を実現、新しい軽自動車として世に送り出しました。
アルトの成功でダイハツ ミラ・クオーレや三菱 ミニカ・エコノ、さらにスバル レックスコンビなど次々にボンネットバンの市場に新型車を送り込みました。
47万円という破格値を実現するために徹底したコストダウンを行い、グレードをひとつに統一。価格も全国統一、CMで安さを全面に訴求し「アルト 47万円」というインパクトの大きい販促活動を行いました。
その超有名なキャッチコピーは衝撃的で、アルトの知名度は一気に広がることとなりました。

ボディは3ドアハッチバック。
エンジンは水冷4ストローク3気筒F5A型543ccを搭載。最高出力28ps-6000rpm、最大トルク4.2kgm-3000rgm。燃費はリッター23.6〜26.9km、全長3.195m×全高1.335m×全幅1.395m。駆動方式はFF。トランスミッションは2速AT。全国統一価格47〜55万円。

 

※銀アルト(2ストローク・4 MT仕様)はNo.021をご覧ください。

 

 

 

※懐かしい廃車たち(出来るだけ天然モノ)を小学生撮影隊と一緒にのんびりと探索・撮影・紹介している趣味コンテンツです。
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